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浙江省の「未来農場」を訪ねて

2023年04月13日

 中国浙江省ではここ数年、省レベルの「未来農場」(農場、漁場、牧場などを含む)が複数建設されている。これらの農場は新たな通信技術設備と管理理念を応用し、農業の生産管理や経営モデル、分配システムを体系的に最適化・再構築しており、テクノロジースタイルと未来感にあふれ、農業の総合的利益と産業競争力向上の面で、牽引的かつモデル的な役割を果たしている。

 同省湖州市に建設された第1弾「未来農場」の一つで、66.7ヘクタール以上の太湖蟹養殖面積を持つ「呉興織里恒鑫水産養殖専業合作社」は、デジタル化の利便性を実感している。責任者の張麗華氏は「養殖業者が現場に行かなくても、スマートフォンやタブレットPCで水質の変化をリアルタイムでチェックできるようになった。異常があればシステムが速やかに警告を出し、酸素ポンプなどの設備をいち早く起動できる」と説明した。

 湖州市安吉県にある宋茗安吉白茶「未来農場」は、安吉白茶をテーマにした農村観光を推進している。大型ディスプレイには、デジタル茶畑やデジタル工場、製品トレーサビリティー、企業管理などのデジタル化応用シーンが表示されている。宋茗安吉白茶「未来農場」の関係者は「ここではデジタル化の力を活用し、『安吉白茶と文化観光』統合したモデルにより、農場と村、農家を一体化させ、受注や雇用の増加を促すメカニズムを最適化し、産業と農村の融合を牽引、強化している」と説明した。

 湖州市長興県呂山郷に位置する天下牧業「未来農場」では、作業員が湖羊の耳に付けられた黄色いタグをスキャンすると、性別や親、血統などの情報が一目でわかるようになっている。長興天下牧業公司では湖羊の年間飼育頭数が最大5万頭、出荷頭数が6万頭となっており、年間生産高は1億5000万元(1元=約19円)に上る。ここでは「スマート環境管理、動画モニタリング、正確な餌やり、個体管理、繁殖管理、モバイルアプリ」といったデジタル・自動化管理システムが構築されている。天下牧業「未来農場」プロジェクト担当者の温政勝氏は「このデジタル・自動化管理システムにより、1人で3000頭の羊が管理できるようになり、飼育効率が大幅に上がり、人件費が下がった」と語った。

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中国科学技術ニュース 2023年04月

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