中国初の高性能方向性電磁鋼板生産ラインが稼働

2023年04月21日

　中国初の高性能方向性電磁鋼板生産ラインが19日、首鋼遷安鋼鉄公司で稼働した。高品質の鉄鋼製品の生産開始により、中国のハイレベルスマートグリッドの迅速な発展を効果的に促進する。中央テレビニュースが伝えた。

　方向性電磁鋼板は、各種発電機や変圧器の重要な材料となる。特に高磁気誘導方向性電磁鋼板は鉄損がより少なく、磁極強度がより高い。変圧器の鉄芯として使用すれば、エネルギー変換過程での損失を減らすことができる。今回稼働したのは中国で初めて100％薄板規格を備えた高磁気誘導方向性電磁鋼板の専門生産ラインで、年間生産量は9万トンとなる。

　中国のスマートグリッドの全面的建設に伴い、超高圧送電線の建設が加速している。中国では方向性電磁鋼板の年間設備稼働率が103％を超え、需要が高まっている。

　冶金工業企画研究院の范鉄軍院長は「現在、全国の変圧器の自己消費電力は三峡ダムの発電量の約2～2.5倍となっている。もし高磁気誘導方向性電磁鋼板により現在の変圧器をアップグレードすれば、毎年約900億キロワット時（kWh）以上節電でき、三峡ダムの年間発電量に近づく」と述べた。