中国国家エネルギー局新エネルギー・再生可能エネルギー司の王大鵬副司長は17日、北京で開かれた第4回世界バイオマスエネルギーイノベーション発展サミットフォーラムで、「中国のバイオマスエネルギー利用は、発電を中心とし、バイオガスやクリーンヒーティングなどの非燃料エネルギー電力を補助とする多様な発展構造をほぼ形成した」と述べた。科技日報が伝えた。
同フォーラムで発表された「中国バイオマスエネルギー産業発展年鑑2023」によると、22年末現在における中国のバイオマスエネルギー発電設備容量は累計4132万キロワット(kW)で、4年連続で世界トップとなった。バイオガス生産量は増え続け、現在は年産約3億立方メートルとなっている。バイオマスクリーンヒーティング面積は3億平方メートル以上で、バイオマス固体燃料の年間利用量は約2000万トンに達している。
バイオマスエネルギーの利用率が低いという問題を解決するため、中国はここ数年、バイオマス原料の育成・利用技術のイノベーションに取り組み、顕著な成果を上げている。中国工程院院士(アカデミー会員)で清華大学教授の倪維斗氏は、「遺伝子改良により育成した新世代のヨシタケは、毎年の生長量が熱帯林の5倍、トウモロコシの茎の7倍、稲わらの15倍以上で、その発熱量は動力用石炭に近い。このヨシタケは年間降水量500ミリ以上の地域の荒れた斜面や干潟、塩類アルカリ性土壌などで栽培可能で、重金属も吸収できる。1年間の生長期間に二酸化炭素を吸収し、優れたカーボンシンクにもなる。冬にこれを刈り取ることで良質なバイオマス原料にもなる」と説明した。
同年鑑によると、中国はすでにバイオマス発電や熱供給、嫌気性発酵、固体燃料加工など主要設備の技術体制をほぼ構築している。中国工程院院士で、国家エネルギー諮問専門家委員会副主任の杜祥琬氏は、「バイオマスエネルギーの固体燃料技術、液体燃料技術、気化技術、発電などはいずれも石炭の代替として利用可能だ。バイオマスから有機化学品を製造することで、化石原料製造も代替でき、バイオマス経済の発展を推進できる」と述べた。