2024年09月02日-09月06日
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シェア水素バイク500台、四川省成都市で運用開始

2024年09月04日

 中国四川省成都市でこのほど、シェア水素バイク500台の運用が始まった。四川日報が伝えた。

 市内に住む鄭さんは、微信(WeChat)のミニプログラムで2次元バーコードをスキャンして水素バイクを借り、「ここ数日よく利用している。便利で環境にやさしい」と感想を述べた。データによると、8月10日の運用開始から26日までの17日間で、3万5400人以上のユーザーが登録している。

 走行時は二酸化炭素(CO2)排出量を約1206キロ削減する。これは約67本の木が1年間に吸収するCO2の量に相当する。

 円滑なモニタリングと管理のため、水素バイクは現在、新都区の一部エリアと錦江区の三聖郷景勝地のみで運用されている。料金は10分間の初乗りが2.5元(1元=約21円)で、10分を超えると5分ごとに1元加算される。

 バイクは小出力の水素燃料電池を電気エネルギーに変換して走行する。シートの下にある水素燃料電池には100グラムの水素が搭載可能で、走行距離は100キロ、最高時速が25キロとなっている。

 市民が懸念する安全性の問題について、水素バイクの生産・運営企業である四川軽緑科技の向敏副総経理は「従来の気体水素貯蔵方法と異なり、水素バイクは固体水素貯蔵技術を採用している。水素貯蔵圧力が低く、内部材料が安定するのが特徴だ」と答えた。

 向氏は「例えば1台のバイクで1日当たり30グラムの水素を消費するとして、2万台のバイクでは1日600キロが必要になる。これは、一般的な水素ステーションの運営を支えることができる量だ」と説明。同社の現在の年間生産能力は2万台で、年末には新工場が稼働する。そうなれば1本の生産ラインだけで年間生産能力が10万台に増加する。向氏は「1日で5カ所の水素ステーションの運営を支え、CO2を約1万5000キロ削減する。これは樹木800本以上の年間総CO2吸収量に相当する」と述べ、その実現に自信を示した。

 
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