中国江西省から出土した白亜紀後期の恐竜標本が、新種「獣紋華夏冑竜」として認定された。研究成果はこのほど、国際的学術誌「Historical Biology」に掲載された。新華社が伝えた。
研究は雲南大学と江西省博物館が共同で実施。研究チームによると、恐竜の化石は1986年に江西省撫州市広昌県の住民が農作業中に発見し、現地政府が発掘作業を行った。その後、標本は上海で修復され、江西省博物館に保存された。
2023年、江西省博物館と雲南大学生命科学学院脊椎動物進化研究センターは、この化石の謎を共に解明した。
復元の結果、「獣紋華夏冑竜」の体長は6メートル以上で、中国で発見されたアンキロサウルス科化石で体が大きいほうであることが分かった。今から8400万~7200万年前の白亜紀後期に生息し、主に低いシダ植物や種子植物、裸子植物の葉を食べていた。この種類の恐竜は体が太く、四肢が強力で、尻尾の先端にハンマーのような骨塊がある。
系統発生分析によると、「獣紋華夏冑竜」はアンキロサウルス科で、ノドサウルス科に似たハート型前尾椎、尻尾先端のU字型の突起、脛骨と距骨の非癒合など、多くの原始的な特徴を持つ。