香港科技大学は、人工知能(AI)を利用して設計した、文化的背景の異なる10人の「AI講師」を発表した。教育モデルを刷新し、学生の学習意欲を刺激して授業への参加度を高めるとともに、将来的には学生の好みや興味と結びつけて、パーソナライズされた「AI教室」の設計を目指す。科技日報が伝えた。
同大学の関係者によると、「AI講師」は香港科技大学(広州)コンピューターメディア・芸術学分野の講座教授で、同大学メタバース・コンピュータークリエイティブ研究センター主任の許彬氏率いるチームが開発。バーチャルイメージを使って学生への授業を行う。チームが独自開発した3Dモーション生成システムを活用することで、「AI講師」の動きがより滑らかで自然になる。開発チームは毎回の授業後に学生に感想を聞くことで、「AI講師」のスタイルや言葉遣い、表現方法の違いによる学習効果への影響を調べ、「AI講師」の的確な調整を行う。
許氏は「『AI講師』は学生に新たな学習体験を提供するとともに、デジタル教育に全く新しい研究方向性をもたらしている。『AI講師』は実際の教師との相互補完が可能で、退屈な話題をより面白くすることもできる。また学生の多様化した学習ニーズを満たし、新たな教育モデルを模索する教師の助けにもなる」と説明した。
香港科技大学では、「AI講師」に「クリエイティブSNS」カリキュラムの一部を担当させている。授業内容には、ストーリーテリングのスキルを高めるためのSNS活用術や、SNSの社会に対する影響などが含まれ、学生にSNSの特徴を理解させ、マルチメディア技術などを活用した学術研究の方法を学ばせる。このカリキュラムは香港と広州の両キャンパスの学生を対象に行われている。