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浙江大学、BMIを使って漢字を書くことに成功

2024年04月26日

 浙江大学ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)チームの最新研究成果が23日、同大学医学院附属第二医院で発表された。チームは侵襲型BMIによってロボットアームを操作し、漢字を書くことに成功した。中国新聞網が伝えた。

 同チームは2006年からBMIの先端的・学際的研究を行っている。12年には、サルの脳の運動皮質に電極を埋め込むことで「引っ掛ける、つかむ、つまむ、握る」といったジェスチャーの解読に中国で初めて成功した。14年には臨床患者の頭に電極を埋め込み、じゃんけんなどの動きの解読に成功。20年には、臨床ボランティアが侵襲型BMIによって「水を飲む、食べる、握手する」といった動作を実現し、高齢者としては世界初の成功となった。

 同チームの最新研究は「脳波によって漢字を書く」ことで、この技術により、患者は漢字の書き方を思い浮かべると、それが運動野のニューロン活動によって反映され、運動野の神経信号の解析を通じて、イメージした書き方に沿ってロボットアームが漢字を書く。

 浙江大学ブレイン・マシン調整制御臨床実用化研究センター神経疾患サブセンター主任で、同医院神経外科主任の張建民氏は、「脳卒中や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の一部の患者は書くことや話すことができないが、脳波を抽出して外部の機械を制御することで、文字を書くことによる意思疎通ができるようになる」と説明した。

 張氏は「漢字には偏や旁(つくり)、部首、筆順などの面で多くのルールが存在する。さらには、線が長くなったり、短くなったりするだけで、完全に異なる字になることもある。海外で漢字を研究しているチームがなく、参考材料がない。そのため今回の漢字の解読成功は、BMI研究の非常に重要なブレイクスルーでもある」と語った。

 浙江大学BMIチームは現在、漢字を書く際の特殊な解読メカニズムのブレイクスルーを果たしており、これを踏まえて漢字を書く軌跡を解読する新技術を発展させている。オフライン状態での常用漢字分類の正解率は91.3%で、言語モデルのサポートを受けたオンラインでの正解率は96.2%に高まっている。

 
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