中国四川省食用キノコ研究所の李小林博士のチームによると、同チームが行っている「粉耳」(ピンク色のキクラゲ)の多糖体研究で重要な進展があり、抽出された酸性多糖体「YL-D2N2」が抗酸化活性を持ち、細胞の老化をある程度抑制できることが分かった。関連研究成果はこのほど、国際的学術誌「International Journal Of Biological Macromolecules」に掲載された。新華社が伝えた。
同チームは2020年8月、成都市の獅子山でピンク色のキクラゲを発見し、実験室に持ち帰って研究を行った。22年にはこのキクラゲの栽培化に成功し、中国初のピンク色のキクラゲ新品種「粉耳1号」と認定された。
同チームは「粉耳1号」子実体を研究材料に、その粗多糖体から酸性多糖体「YL-D2N2」を分離し、多糖体構造の予測を行った。この多糖体はラムノース、ガラクトース、ブドウ糖、キシロース、マンノース、グルクロン酸で構成されており、抗酸化活性評価の結果、酸性多糖体「YL-D2N2」はスーパーオキシドアニオンラジカルにのみを標的にした消去能力を持つことが分かった。
李氏は「本研究は『粉耳』の多糖体の活性成分のさらなる開発の基礎を提供するだけでなく、特定の生物活性を持つ天然多糖体の開発に新たな方法も提供しており、高い科学的価値と幅広い潜在的な応用可能性を持っている」と説明した。
(画像提供:人民網)
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