中国の研究チーム、藍藻の成長を効果的に抑制する新材料を開発

2023年11月10日

　中国の江南大学は、同大学の饒義剣教授のチームがセルコスポリンによる藍藻の成長抑制に関する研究を行い、バイオミメティクスデザインによって効率的な藻類抑制材料を開発したと明らかにした。この方法は太湖の藍藻の異常発生問題に新たな解決策を提示し、重要な参考を提供する。関連研究成果はこのほど、国際学術誌「Journal of Hazardous Materials」に掲載された。科技日報が伝えた。

　饒氏は「チームは大量の文献調査研究、長時間の設計と思考の結果、バイオミメティクスにより凝集および光増感作用の2つの機能を持つ新型藻類抑制剤の作成に成功した。これは太陽光を利用してミクロシスチス・アエルギノーサと太湖藍藻の成長を効率的かつ急速に抑制するもので、凝集および光増感作用の2種類の藍藻抑制メカニズムを持つ。藍藻を急速に凝集してから、その光増感作用により藍藻の成長を効果的に抑制することで、急速かつ効率的に藍藻を除去する。この2つの機能を持つ藍藻抑制剤が日照条件下で、藍藻の細胞壁や細胞膜、抗酸化システム、光合成システムを破壊することで、最終的に有害藍藻の成長を抑制することが電子顕微鏡で観察できた」と説明した。

　この方法は藍藻抑制のプロセスにおいて、藍藻自身が生み出す毒素（ミクロシスチス・アエルギノーサ毒素）と異臭物質のβ-シクロシトラールの活性を失わせる力を持つことは注目に値する。これは同材料が優れた分解多機能性を持つことを示している。実際の応用において、この2つの機能を持つ藍藻抑制剤は屋外の日照により、わずか7.5時間で藍藻の成長を効果的に抑制でき、太湖の藍藻が大きく減り、藍藻抑制率は95％に達した。これによりこの方法の実用的価値が証明された。