2023年11月13日-11月17日
トップ  > 科学技術ニュース>  2023年11月13日-11月17日 >  江蘇省無錫市、新エネ車からの「逆充電」を推進

江蘇省無錫市、新エネ車からの「逆充電」を推進

2023年11月15日

 中国の2023年1~9月におけるエネルギー貯蔵用電池出荷量は157.2ギガワット時(GWh)で、世界の出荷量の90%以上を占めた。新エネルギーを中心とする新型電力システムの構築で、新エネルギーの使用効率向上において、エネルギー貯蔵技術がますます重要な役割を果たすようになっている。新エネルギー車は移動手段でありながら、エネルギー貯蔵の役割も持ち合わせており、将来的に都市エネルギー貯蔵ステーションの一部になる見込みだ。江蘇省無錫市は現在、車両と電力網の双方向給電を模索している。

 中国最大規模のV2G(Vehicle-to-Grid)実証センターでは、ある新エネ車オーナーが新エネ車の逆充電を体験していた。オーナーが新エネ車を充電・放電ポールに接続し、スマートフォンのミニプログラムの「放電」ボタンをタップすると、設備が自動で車の放電能力を調べ、30秒以内に電力網に逆充電を行う。逆充電終了後に得られるポイントは、次の充電料金に充てられる。

 国網無錫電力供給公司V2G実証センターの責任者である謝照軍氏は「当センターは試験運用段階で中国最大規模のV2G逆充電試験を実施した。50台の新エネ車が同時に電力網に逆充電した。送電出力は2000キロワット(kW)近くに上り、133世帯の1日分の正常な電力消費ニーズを満たす」と述べた。

 中国では新エネ車、特に電気自動車(EV)が近年急増しており、すでに1000万台を超えている。国家エネルギー局が8月に発表したデータによると、中国の充電設備の総数は700万カ所近くに達し、世界一となっている。

 無錫地区を例にすると、新エネ車保有台数は近年爆発的に増加しており、現在は計19万3000台に上っている。V2Gの秩序正しい推進に伴い、無錫市内の新エネ車の調節可能な資源は35万kWに達すると試算されている。これは2万世帯余りの1日の電力消費ニーズを満たすことになる。

 新エネ充電スタンドは将来的に小型エネルギー貯蔵ステーションになる見込みで、電力網の負荷カーブの最適化とピークカット・ピークシフトの実現をサポートし、「交通網」と「エネルギー網」の高度な融合を形成する。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます