中国上海市の華東理工大学芸術学院の学生7人がこのほど、「コーヒーかす」を主な材料として花壇の植木鉢を作り、「渣渣花園(かすかすガーデン)」を完成させた。学生たちの作品はこのほど開かれた第2回「大学生ガーデンフェスティバル」で金賞を受賞した。中国青年報が伝えた。
第一財経が発表した「上海コーヒー消費指数報告」によると、上海は中国でコーヒー消費量が最も多い都市で、一日当たり30トンものコーヒーかすが発生しており、これは24インチのキャリーケース約1000個分に相当する。このコーヒーかすをいかに活用するかが、華東理工大学の学生たちの実験テーマとなった。
同大学の学生で構成される「savage(野人)」デザインチームは、持続可能性の観点から、コーヒーかすを主な原材料として植木鉢を作り、景観美と環境配慮・保護を兼ね備えた、コーヒーかすを再利用した庭園を作り上げた。
チームは資料を調べていた際に、グリセリンとゼラチンをコーヒーかすに混ぜることで硬い質感になることが分かったが、実験結果は期待通りにはならなかった。材料実験を繰り返し、さまざまな材料と配合率を選んだ結果、最終的にベースにしたダンボールにコーヒーかすを塗り付けた植木鉢を完成させた。
庭園の設計段階では、学生たちは「植木鉢と土の融合」を重視。入手しやすい角材でスタンドを作り、手作業でカットして組み合わせることで植木鉢の台座とした。レーザーカッターを利用して看板を作り、木材の焼き目の模様を付けて庭園に彩りを添えた。園内のすべての鉢と枠組みは、学生が専用工具を使って手作りしたものだ。
「渣渣花園」の今後については、2種類の処理方法があるという。1つ目は土の中に埋めて完全に自然分解させ、コーヒーかすを肥料として植物の養分にするもので、2つ目はこのガーデン全体を移動させて市民に管理してもらうか、都市花壇の一部として利用してもらうというものだ。学生たちのアイデアによって、コーヒーかすが今後の都市の緑化建設にさらなる可能性を提供する。
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