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中国の5G産業応用、生産の中核制御に浸透

2024年05月14日

 中国インダストリアルインターネット研究院がシーメンス(中国)と共同で発表した「5Gと産業自動化融合応用研究報告書」によると、中国の5G産業応用はすでに周辺サポートから中核制御へと浸透している。科技日報が伝えた。

 2019年の5G大規模商用化以降、中国は政策による誘導や建設ガイドライン、モデル実証などの措置を通じ、各業界での5G応用を持続的に推進しており、全国的に「5G+インダストリアルインターネット」プロジェクトが大規模で発展している。工業・情報化部(省)のデータでは、5G応用は国民経済大分類97項目のうち74項目に融合し、工業や鉱業、電力、医療などの重点分野で普及しており、「5G+インダストリアルインターネット」プロジェクト数は1万件以上となっている。

 報告書によると、航空機や船舶、電子、採鉱などの産業で「5G+インダストリアルインターネット」の革新的実践が行われており、設備の遠隔制御やマシンビジョンによる品質検査、無人スマート点検など複数の典型的な応用例が形成されている。だが、5Gと産業自動化の融合は、低遅延の5G端末の不足や、ネットワークの確実性とリアルタイム性の低さ、ネットワークの管理が困難という課題にも直面している。

 報告書は5Gと産業自動化の融合応用発展を促すため、産業界が主に取り組むべき課題として、次の3点を挙げている。

①産業自動化における低遅延5G端末の種類を充実させ、5Gに対応するプログラマブルロジックコントローラ、機器、アクチュエーター、産業用カメラなどの製品開発を奨励・支援する。

②5Gローカルエリアネットワークや時間敏感ネットワークなどの技術に基づき、産業用5G確実性ネットワーク重要技術や産業自動制御の高いリアルタイム要件を満たす5Gネットワーク技術のブレイクスルーを果たす。

③産業用ネットワーク総合管理プラットフォームを構築し、工場における5Gネットワークと従来型産業用ネットワークの統一管理を支援し、5Gの産業自動化応用における地域を跨ぐネットワーク管理と運営・メンテナンスを実現する。

 
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