中国内モンゴル自治区赤峰市寧城県で、保存状態の良い1億6500万年前のジュラ紀中期のEuthemistidae科の化石が発見され、「寧城契丹優美蜓」と命名された。今回の発見はトンボの自然史と進化の研究に新たな根拠を提供している。新華社が伝えた。
この化石は首都師範大学と広州大学の学者によるチームと寧城国家地質公園管理局が、寧城県道虎溝のジュラ紀燕遼生物群で発見したものだ。寧城国家地質公園管理局の商景安局長は「地質公園の職員は古生物化石の保護・検査中にこの露出したトンボの化石を発見した。直ちに専門家を集めて現場で確認・研究を行い、保護措置を講じた」と説明した。
首都師範大学生命科学学院の任東教授は、「今回新たに発見された化石は、Euthemistidae科の研究を完全に補完するものだ。これまで見つかった同科の化石の中で保存状態が最も完全で、羽、胴体、生殖器がある。生殖器の観察によりメスの個体であることもわかった」と語った。
Euthemistidae科は羽が鎌のように細長く、翅脈が密集し、胴体が細長く模様があることから命名された。専門家によると、寧城契丹優美蜓は温暖で湿った渓流または湖沼の畔で生息していたと推測される。任氏は「今回発見した化石はEuthemistidae科の一部の特徴を補完し、国際昆虫学界が同科の研究を深めるためのより全面的な形態学的証拠を提供している」と述べた。
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