1秒間にいったい何ができるだろうか。中国陝西省西安市雁塔区にある陝西西安未来人工知能(AI)計算センターでは、30京回もの計算が可能だ。人民日報海外版が伝えた。
同センターに足を踏み入れると、列に並んだ黒いキャビネットが目に入る。センターの張雲鵬最高執行責任者(COO)は「当センターが提供できるAI計算能力は300PFLOPS(ペタフロップス)で、毎秒30京回の浮動小数点演算が可能だ。300PFLOPSは高性能コンピューター150万台の同時演算に相当し、24時間で数十億枚の画像、約10年分の自動運転データを処理できる」と説明した。
現在、AIはさまざまな業界を活性化しており、業務や学習、生活と緊密に結びついている。データが情報化時代の「石油」だとすれば、計算能力はAIの「エンジン」だ。西部地域初、そして中国国内2位の規模を持つAI「計算能力クラスター」として、同センターは西部地域の「最強ブレーン」と言うべき存在で、計算能力のサポートによって「AI+」が力強く発展している。
炭鉱のベルトコンベアの詰まりやこぼれ、ベルトのズレ、エンジンルームのオイル漏れなどを効果的に監視する。このほか、作業場所の前進・後退レバーのデータを正確に計算し、タンクローリーがガソリンスタンドまで安全にガソリンを運べるよう保証する......。工業巡回点検向けの30億レベルパラメータプレトレーニング大規模モデルがこのほど、西安市で発表された。デジタル化・スマート化手段が人手による巡回点検に取って代わり、効率が大幅に向上し、時間と労力が節約できるようになった。
同センターに入居する中科視語(西安)科技有限公司は協力パートナーと共に「秦嶺・秦川交通大規模モデル」を開発。都市道路における朝晩ラッシュ時の交通渋滞問題にソリューションを打ち出した。
中科視語の責任者によると、大規模モデルは過去の大量の交通データを分析し、現在の交差点や幹線道路の通行量などのリアルタイムデータと結びつけることで、交差点信号制御最適化プランを自動で決定することができ、交通渋滞の緩和に役立つ。
同センターでは稼働後に230社以上のエコシステムパートナー企業と連携し、多くの企業を入居させた。西安市雁塔区党委員会の王征書記は「現地ではAI産業エコシステムがほぼ形成された。西安市は戦略的新興産業に引き続き狙いを定め、AIやサイバーセキュリティ、ビッグデータなどの未来産業の新たな道筋を切り拓き、陝西省計算能力・デジタル産業集積エリアと都市デジタル基盤の構築に注力し、新たな質の生産力の形成を加速させる」と語った。
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