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中国の大型ネット通販セール「618」でAIが大活躍

2024年06月25日

 中国で毎年行われる大型ネット通販セール「618」では、人工知能(AI)の活用が進んでいる。中国新聞網が伝えた。

 AIを使って同一商品の最安値を全プラットフォームで自動検索して価格を調整したり、ワンタップで商品の宣伝画像を生成したり、ホットな話題を検索して販促コピーをわずか数秒で作成する。専門家によると、こうした「EC+AI」の動きが避けられない傾向になっており、今年はそれが特に際立っていた。

 ショッピングサイト「淘宝」に出店している何挺さん(仮名)は「618になると、プラットフォームが発表するルールに基づいて、事前にポスターを作成したり、店舗イベントの各プロセスを決めて、予算を分配したりしなければならない。以前は自分でできないことは代理店にやってもらっていたので、その費用は数千元(1元=約22円)から数万元もしていた。でも今年は、複雑な作業は全てAIがしてくれた」と語った。

 各ショップの運営に関係する悩みについて、ネット通販大手「京東グループ」の関係者は、「今年の618は、AI生成コンテンツプラットフォーム『京点点』を通じて、各ショップが商品説明やセールスポイントに関する広告画像、広告文を簡単に作成できるようになった」と説明した。

 ショート動画プラットフォーム「快手」が手掛けるECプラットフォームでも「委託管理モード」が使われている。AIを利用して委託管理事業者に商品や仕入れ値などを伝えておけば、その後の運営は全て任せることができる。別のECプラットフォームは、AIツールを活用すると、ホットな話題をリアルタイムで探し、クリエイティブな広告文を作成できる。各ショップは優秀な「デジタルスタッフ」を人件費0で「雇う」ことができるため、運営コストを大幅に削減することができる。

 ほぼ全ての大手ECプラットフォームでは、数秒でショップを開設し、文字の入力のみで画像や動画を生成できるようになっており、ショップ開設やマーケティングが簡素化されている。ネットユーザーたちは、「オンラインショップを開設するのがどんどん簡単になる」と喜んでいる。

 こうした現象について、中国のシンクタンク「太和智庫」の研究員で、ニューメディアマーケティング専門家の唐興通氏は、「EC+AIは必然的な流れで、避けることはできない。一部の大手ECプラットフォームは元々、最先端のテクノロジーを駆使していた。そのため、こうしたプラットフォームが先頭を切ってAIを活用するのは不思議なことでない。今後、活用するプラットフォームはどんどん多くなり、普及していくだろう」と述べた。

 
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