中国福建省福州市にある福耀玻璃工業集団(FUYAO)が開発したガラス製品は、「1枚のガラス」が持つ無限の可能性を示している。人民網が伝えた。
この製品にはさまざまな用途がある。「遮光ガラス」としては、コーティングされた断熱フロントガラスが車外からの日差しを防ぎ、赤外線を85%遮断する。「モバイル電源」としては、ガラスの間に太陽電池モジュールを組み込むことで、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、車載機器にエネルギーを供給する。「ETCカードスロット」としては、ETCチップをフロントガラスに直接はめ込むことで、通行の安定性をさらに高めることができる。
FUYAOは郷鎮企業からスタートし、数十年にわたりガラス製造に専念してきた。すでに世界最大規模の自動車用ガラスサプライヤーになり、世界市場シェアは34%に達している。中国国内では自動車の3台に2台がFUYAOのガラスを使用している。
中国の新エネ車は2023年に新車販売台数が自動車全体の31.6%を占めた。FUYAOの黄賢前副総裁は「スマートカーは自動車用ガラスに対する要求がより高くなり、製品の付加価値を高めている。当社の高付加価値製品の売上は前年同期比10%近く増えた」と述べた。
「スマートコネクテッドアンテナガラス」は、スマートカー応用の産物だ。黄氏は「自動運転レベル2のスマートカーは20本以上のアンテナの設置が必要だ。従来の車載アンテナと相互連結システムを採用した通常の外付けアンテナは、各アンテナの距離が十分でなく、システム間の信号の干渉や減衰が生じていた。当社は最新技術を採用し、アンテナを面積の広いサンルーフの内部に隠し、強度を倍増させ、信号の低遅延、超高速、高信頼性、大容量といったスマートカーの特性を満たし、運転体験をよりスムーズにしている」と説明した。
FUYAOは現在4500人以上の研究開発チームを持ち、年間売上高の4%以上をイノベーションの研究開発に投資している。
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