第18期三中全会「決定」(全訳)
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9.法治中国の建設推進

 法治中国の建設には、法に基づく国家統治と法に基づく政治と法に基づく行政の同時推進を堅持し、法治国家・法治政府・法治社会の一体化建設を堅持する必要がある。司法体制改革を深化させ、公正で効率的な権威ある社会主義司法制度の建設を加速し、人民の権益を保護し、国民がすべての司法案件において公平と正義を感じられるようにしなければならない。

(30)憲法と法律の権威を守る。憲法は、党と国家の事業の発達と長期的安定を保証する根本的な法であり、最高の権威を持つ。憲法実施監督の仕組みとプロセスをさらに整備し、憲法実施の全面的貫徹を新たな水準に引き上げる必要がある。社会全体が憲法や法律を尊重し、順守し、擁護し、運用する制度を設立・整備する。法律の前での万人の平等を堅持し、いかなる組織や個人にも憲法・法律を超える特権を持つことを許さず、憲法や法律に違反するあらゆる行為に責任を追及しなければならない。

 法律顧問制度の構築を幅広く進める。拘束力のある文書や重大な政策決定の合法性審査の仕組みを整備する。科学的な法治建設指標体系と審査基準を構築する。法規や規則、拘束力のある文書の司法審査制度を整備する。社会における法律普及教育の仕組みを整備し、全国民の法治観念を増強する。地方立法権を持つ大型市の数量を一歩ずつ増加させる。

(31)行政法執行体制の改革を深化させる。法律執行の主体を統合し、法律執行権をさらに集中させ、総合的な法律執行を推進し、権限と責任の重複問題や複数の執行主体による混乱の解決に力を入れ、権限と責任が統一された効率的で権威のある行政法執行体制を構築する。行政法執行の段階を減少させ、食品薬品・安全生産・環境保護・労働保障・海域海島などの重点分野における基層の法執行力を強化する。都市管理法執行体制を整理し、法執行とサービスの水準を高める。

 行政法執行のプロセスを改善し、法執行における自由裁量権を規範化し、行政法執行に対する監督を強化し、行政法執行の責任制と法執行経費の財政保障制度を全面的に実施し、厳格・規範的・公正・文明的な法執行を実現する。行政法執行と刑事司法との連結の仕組みを整備する。

(32)法に基づいた独立的で公正な審判権や検察権の行使を確保する。司法管理体制を改革し、省以下の地方法院(裁判所)と検察院における人員・資金・物資の統一管理を推進し、行政区画と適切に分離された司法管轄制度の設立を検討し、国家の法律の統一的で正確な実施を保証する。職業の特性に符合した司法人員管理制度を設立し、裁判官・検察官・警察官の統一採用や正式交流、順序ある選抜の仕組みを整備し、司法人員の分類管理制度を改善し、裁判官・検察官・警察官の職業保障制度を整える。

(33)司法権力の進行メカニズムを整備する。司法職権の配置を改善し、司法権力の分担・相互協調・相互制約の仕組みを整備し、司法活動に対する法律監督と社会監督を強化・規範化する。

 審判(審理・判決)委員会制度を改革し、主審裁判官制と合議廷裁判責任制を整備し、審理者が裁判をし、裁判をした者が責任を負う制度を実現する。各級法院の役割の位置付けを明確化し、上下級の法院の監督関係を規範化する。

 裁判の公開や検察業務の公開を推進し、裁判の全プロセスの資料を記録・保存する。法律文書の理論性を高め、裁判所の発効裁判文書の公開を推進する。減刑・仮釈放・医療保釈のプロセスを厳格に規範化し、監督制度を強化する。人民陪審員・人民監督員制度を幅広く実行し、国民が秩序正しく司法に参加する道を拡大する。

(34)人権司法保障制度を整備する。中国は人権を尊重し保障する。事件にかかわりのある財産の差し押さえ・押収・凍結・処理の司法プロセスをさらに規範化する。誤審防止・是正・責任追究の仕組みを整備し、拷問による自供の強要や体罰、虐待を厳しく禁じ、違法な証拠は排除するという規則を厳しく実行する。死刑の適用犯罪を徐々に減らす。

 労働矯正制度を廃止し、違法犯罪行為に対する処罰と矯正の法律を改善し、地域社会における矯正制度を整備する。

 国家司法救済制度を整備し、法律支援制度を改善する。弁護士の業務権利保障の仕組みと法律や規則に反した際の業務懲戒制度を整備し、職業道徳の普及を強化し、公民と法人の合法的権益を法にのっとって守るという弁護士の重要な役割をよりよく発揮させる。