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国家災害防止・軽減科学技術発展『12・5』特定計画

2012年5月 科学技術部

概要

 「国家災害防止・軽減科学技術発展『12・5』特定計画」は、「自然災害は、すでにわが国の経済・社会の発展に影響を及ぼす重要な要素の一つになっている」とした上で、自然災害に対する基礎研究から、予測・予報、モニタリングと早期警報技術の研究、被災状況と総合リスク評価技術システムの研究開発、災害後の回復再建技術体系の研究開発、予防と生態系修復技術の研究開発、重点地域における総合災害防止・軽減技術の統合・実証など多方面にわたる戦略目標が盛り込まれている。

 「政府・産業・大学・研究機関・ユーザーが結合した災害防止・軽減技術イノベーション体系がまだ形成されていない」など自国の弱点を挙げ、「災害の軽減から災害リスクマネージメントへ、単一の災害軽減から総合的な災害防止・軽減へ」と、世界の災害防止・軽減戦略が「重大な調整が行われている」現状についても触れている。


国家防灾减灾科技发展“十二五”专项规划

 『中華人民共和国国民経済と社会発展第12次五カ年計画要綱』、『国家中長期科学技術発展計画要綱(2006~2020年)』、『国家「12・5」科学技術発展計画』および『国家総合災害防止・軽減計画(2011~2015年)』に基づき、国の災害防止・軽減能力を全面的に高め、災害防止・軽減事業における科学技術イノベーションの支援とリードの役割を十分に発揮し、災害防止・軽減確保の国家目標を実現するため、特に本計画を制定する。

一、国の戦略的ニーズ

(一)わが国の自然災害情勢は依然として厳しい

 わが国は世界で自然災害の影響が最も深刻な国の一つであり、災害の種類が多く、分布地域が広く、発生頻度が高く、損失が大きいなどの特徴を持つ。特に近年は、地震、干ばつ、地滑り、土石流、洪水、台風、高潮などの自然災害が連続して発生し、例えば2008年初めに南部の一部地域で発生した深刻な雨雪結氷災害、2008年の四川汶川巨大地震災害、2009年と2010年冬春に南西部地域で発生した深刻な干ばつ、2010年の青海省玉樹地震と甘粛省舟曲の土石流災害などが、人々の生命・財産、および社会・経済の発展に深刻な損失をもたらした。自然災害は、すでにわが国の経済・社会の発展に影響を及ぼす重要な要素の一つになっている。

(二)災害防止・軽減は経済社会の持続的発展を確保するために重要である

 現在、わが国は発展の重要な戦略的好機にある。経済社会の快速発展に従って、各種の自然災害リスクが日増しに突出し、被災地の持続可能な発展、および国家目標の実現に深刻な影響を及ぼしている。中国共産党第17回大会の報告は、災害防止・軽減活動の強化を明確に求め、災害防止・軽減を公共サービス分野の重要課題の一つとしている。胡錦濤総書記は、「環境変化の法則を系統的に認知し、生態環境のモニタリング、保護、修復能力と気候変動に対する対応能力を向上し、自然災害の予測予報と災害防止・軽減能力を向上し、関連する技術、方法、手段を発展させ、系統的なソリューションを提供しなければならない」と強調している。災害防止・軽減事業の強化はわが国の発展の大局に関わる重要な事柄であり、人々の生活に恩恵をもたらし、経済・社会の全面的な調和と持続可能な発展を実現する重要な保障である。

(三)災害防止・軽減の科学技術支援体系確立と完備の道は遠い

 科学技術の発展は災害防止・軽減に対し、重要なサポートとリードの役割を果たす。災害防止・軽減科学技術は、民生科学技術の重要な構成部分であり、基礎研究、応用技術とハイテクノロジーの研究および応用に関連し、自然科学と社会科学のクロス統合を含む、総合的なシステム工学である。厳しい災害リスクと試練に直面して、科学技術の進歩に依拠した全国の災害防止・軽減の総合力向上は、依然として責任が重く、道のりは遠い。災害防止・軽減に資する国家科学技術支援体系の確立と充実は、わが国の災害防止・軽減の切実なニーズ、およびそれぞれの科学技術支援の段階で存在する問題に焦点を合わせて、自然災害が形成するメカニズムと進化の法則を深く認識し、自然災害の予測と予報、モニタリングと早期警報、リスク評価、意思決定と指揮、緊急救助、回復再建などの各段階の技術研究と応用を強化し、災害防止・軽減の科学技術支援能力を効果的に向上しなければならない。

二、科学技術発展の現状と動向

(一)わが国の災害防止・軽減科学技術発展の現状と進展

  1. 自然災害の予測と予報に関する技術研究および技術体系の建設は、積極的な進展を得ている。主要な災害気象の形成メカニズムと予測システム、農業気象災害の防御技術、洪水の発展変化と予報、沿岸海流の変異形成メカニズム、および環境に対する影響などの分野で、一連の成果を挙げている。地震モニタリングステーション網と地質災害モニタリング早期警戒技術システムが基本的に確立され、気象、海洋、水文などの地表モニタリングと観測網が完備され、モニタリングと早期警報情報発表のカバレッジと適時性が有効に向上した。
  2. 自然災害の災害状況とリスク評価の体系が基本的に形成された。全国をカバーする自然災害状況集計システムが確立され、災害の危険性と災害状況指標体系が完備され、地域総合災害損失およびリスク評価モデルが提示され、主要なプロジェクト立地選定と災害後の回復再建に技術的支援を提供した。
  3. 国の自然災害予防整備プロジェクト体系が次第に確立している。長江三峡、黄河小浪底などの主要な洪水防止水利中枢、干ばつ防止と耐干ばつインフラストラクチャー、主要な地質災害の予防整備、砂漠化防止、総合森林火災予防、ひょう防止・降水増加、生物学的防災、放牧地域防災拠点などの自然災害予防整備プロジェクト体系の建設が相次いで実施された。
  4. 主要な災害に対応する科学技術支援能力が明らかに向上した。国家緊急時対応プラットフォームシステム整備の効果が現れ始めた。町村の防災能力向上、総合リスク防止、巨大災害リスク評価、主要な地質災害のモニタリングと早期警報などの主要かつ重点的な科学技術プロジェクトは、南部の雨雪結氷災害、汶川地震、玉樹地震と舟曲土石流災害の緊急救助、快速評価と回復再建を強力に支援した。

(二)わが国の災害防止・軽減科学技術発展のウィークポイント

  1. 災害防止・軽減科学技術の基礎的事業は依然として弱い。一部の主要な自然災害および災害連鎖の災害醸成環境、形成メカニズムと変化の法則性はまだ十分に解明されておらず、総合モニタリングの近代化レベル、予測と予報の精度と適時性の向上が待たれ、データと情報の共有プラットフォーム建設は強化が待たれる。
  2. 総合災害防止・軽減のコア技術の研究開発と普及が不足している。自前の知的財産権を備えた災害防止・軽減の製品、機器と装備の研究開発が不足し、災害防止・軽減のコア技術の研究、統合実証と普及利用が不足し、企業を主体にして政府・産業・大学・研究機関・ユーザーが結合した災害防止・軽減技術イノベーション体系がまだ形成されていない。
  3. 災害リスク評価体系は完備する必要がある。災害リスク評価では、科学的かつ系統的な指標体系が不足し、災害リスク調査、評価と関連基準を完備する必要があり、災害発生要因の危険性、社会・経済システムの脆弱性などに対する研究が比較的弱く、わが国の国情に合致した災害リスク評価モデル体系が不足している。
  4. 災害防止・軽減に関わる科学技術サポートプラットフォームの建設は早急に強化を要する。わが国の既存の災害防止・軽減科学技術基礎条件プラットフォームは、依然として総合的災害防止・軽減のニーズを満たすことができず、災害防止・軽減科学技術の資源共有と部門横断の協力体制が十分に完備されていなく、巨大災害リスク防止の科学技術サポート能力は向上する必要がある。

(三)世界の災害防止・軽減科学技術の発展動向

  1. 災害防止・軽減戦略において重大な調整が行われている。災害の軽減から災害リスクマネージメントへ、単一の災害軽減から総合的な災害防止・軽減へ、地域的な災害軽減から世界共同による災害軽減へ転換し、公衆の自然災害リスクに対する認識を大幅に高める。
  2. 自然災害予測・予報の研究を強化する。巨大災害の災害連鎖の形成プロセスに注目し、災害発生のメカニズムと法則の研究を重視し、初期の識別、予測と予報、リスク評価などに関する科学技術サポート能力の建設を強化する。
  3. 災害モニタリング早期警報技術体系を構築する。空間情報技術を利用し、災害予測早期警報システムをつくり、モニタリング手段の近代化、早期警報方法の科学化と情報伝達のリアルタイム化を実現する。
  4. 災害リスク評価技術の研究を強化する。リスク評価技術の基準と規格を制定し、コンピューター、リモートセンシング、空間情報などの技術を応用し、災害損失と災害リスクの評価モデルを構築し、総合災害リスクマネージメントシステムを完備する。

三、発展構想と戦略目標

(一)発展構想

 鄧小平理論と三つの代表という重要思想を指針とし、科学的発展観を全面的に貫徹・実施し、『中華人民共和国国民経済と社会発展の第12次五カ年計画要綱』が提示した災害防止・軽減の国家目標をめぐり、『国家中長期科学技術発展計画要綱(2006~2020年)』が確定した科学技術発展課題に基づき、『国家災害防止・軽減計画(2011~2015年)』が提示した科学技術ニーズに焦点を合わせて、安定的に基礎研究を支援し、応用技術の開発、災害防止・軽減装備の開発と統合実証を強化し、科学技術の条件プラットフォーム、研究拠点と人材チームの育成を強化し、災害防止・軽減における科学技術イノベーションのサポート役を十分に発揮する。

(二)計画の原則

  1. 人を基本とし、国民生活に焦点を合わせる。人々の生命・財産の安全保障を災害防止・軽減科学技術発展の出発点とし、科学技術に依拠して、自然災害の損失を最大限に減らし、自然災害のリスクを減少し、人と自然の調和がとれた共存を実現し、社会と経済の持続可能な発展を促進する。
  2. 基礎を固め、応用を強化する。「11・5」における災害防止・軽減科学技術の発展を基に、災害防止・軽減の基礎研究を安定的に支援し、さらに応用技術の研究開発、技術集積と成果応用を強化し、「科学を技術へ、技術を能力へ、能力をサービスへ、サービスを効果へ」という転化を推進し、災害防止・軽減における科学技術のサポート作用を強化する。
  3. 需要を配慮し、重点を重視する。国の災害防止・軽減の差し迫った需要に対して、重点分野と重点地域に焦点を当て、力を合わせて一群の先進的で使用に適したコア技術と装置を研究開発し、災害防止・軽減に関連する社会的マネージメントと公共サービスの科学技術レベルを増強する。
  4. リソースを集め、効果的に統合する。メカニズムのイノベーションを強化し、部門、地方、企業、社会の科学技術リソースを効果的に統合することによって、部門間の協調、リソースの共有と共同推進を含むイノベーションメカニズムを形成し、国の災害防止・軽減能力の全体的向上を推進する。

(三)戦略目標

1.全体目標

 重大な自然災害のリスク評価、エンジニアリング対策、緊急救援、意思決定と指揮、回復再建などの各段階の科学技術レベルを全面的に向上し、ハイレベルな国家災害防止・軽減科学研究実験拠点の整備を推進し、素質の高い科学技術人材チームを育成し、国民の災害防止・軽減意識を一層高め、災害防止・軽減科学技術における先進国・地域との格差を縮小し、「12・5」国家災害防止・軽減目標に合致した科学技術サポート能力を全面的に形成する。

2.具体的目標

  • (1)重大な自然災害に関する基礎研究のレベルをさらに向上する。地震、地質、山津波、気象、生態系、環境、海洋など重大の突発的な自然災害および災害連鎖の形成メカニズムを重点的に研究して解明し、予測・予報に関する科学技術レベルを向上する。
  • (2)災害防止・軽減に関する複数のコア技術を開発し、緊急救援装備によるサポート能力を向上する。一群の高効率の実用的な緊急救援装備を研究開発・統合する。一群の災害防止・軽減技術に関する基準、規格と技術指針を制定・改正し、科学技術成果の災害防止・軽減能力への転化を促進する。
  • (3)重大な自然災害に対する応急施策決定に資する科学技術支援能力を一層向上する。災害防止・軽減関連データのクイックアクセス、遠隔伝送などの技術を研究開発し、重大自然災害総合データベースと総合災害リスクデータベースの構築と充実を推進し、国の緊急プラットフォーム整備をさらに進め、国の災害防止・軽減に関する意思決定・指揮のために、科学技術の支援を提供する。
  • (4)一群の重大な自然災害防止・軽減に関する科学技術実証拠点を建設する。早期警報、リスク評価、災害予防、回復再建の技術実証拠点を設立し、災害防止・軽減に関する科学普及と教育訓練拠点を完備し、国の災害防止・軽減科学技術実証ネットワークを次第に形成する。
  • (5)3~5カ所の災害防止・軽減国家重点実験室、国家工学技術研究センターを新たに建設し、国家重大自然災害フィールドステーションネットワークシステムを完備し、災害防止・軽減技術に関連する学問整備を推進し、災害防止・軽減で不足している人材チームの建設とリーダー人材の育成を強化する。

四、重点業務

(一)重大自然災害に関する基礎研究

 わが国の地震地質災害、気象水文災害、生物学的災害、海洋災害、環境災害などの主要な自然災害に応じて、主要な自然災害の発生メカニズム、動力学プロセス、作用強度と時空間分布の法則性を解明し、各種自然災害の社会システム、インフラ、生産システムと生態環境などへ危害を与える方式、程度と範囲を研究し、地震地質災害、台風・暴雨・洪水・干ばつ・風砂、低温・雨雪・結氷などの重大な自然災害および災害連鎖プロセスの形成メカニズム、およびその世界的気候変動の背景下における発生と発展の趨勢(すうせい)を研究し、自然災害の予測・予報、モニタリングと早期警報及びリスク防止のために、科学的根拠を提供する。巨大災害および巨大災害の災害連鎖形成メカニズムとプロセス、地球気候変動と環境リスクとの関係、およびその適応パラダイムなどに関する基礎研究を重視する。

(二)重大な自然災害の予測・予報およびモニタリングと早期警報技術の研究

 主要な自然災害に対する観測とデータ採集を通じて、物理的プロセスに基づく災害予報モデルを確立し、正確で実用的な数値予報システムとデータ処理技術を開発し、突発的自然災害の頻度と強度に対する短期、中期および長期的に予測する能力を向上する。自然災害形成の法則、発展と進化のメカニズムを結び付けて、災害現象のリアルタイムな動態診断解析を展開し、地震応力環境の測定技術を探求し、全国の重大な自然災害の潜在的危険の予測レベルを向上する。地震地質災害、気象水文災害および海洋災害など主要な自然災害のモニタリングと早期警報のコア技術を充実させ、全方位的な自然災害情報の獲得技術を開発し、マルチスケールの動態情報解析処理と意思決定最適化技術を開発し、国と地域の重大な自然災害の初期モニタリング、快速早期警報技術プラットフォームを構築する。巨大地震に対する危険区域識別および危険性評価方法、大地震に対する中長期的危険性判定および地震に対する全局的予測のコア技術、豪雨型地質災害のモニタリング早期警報技術、山津波災害のモニタリング研究のコア技術、地質災害の光ファイバーセンサーモニタリング技術の研究と実証を強化する。

(三)重大な自然災害の被災状況と総合リスク評価技術システムの研究開発

 地震地質災害、気象海洋災害などの重大な自然災害損害定量評価モデルを開発し、GIS(地理情報システム)空間分析技術、リモートセンシング動的モニタリング技術、デジタル化観測技術、GPS(衛星利用測位システム)による精確な位置測定技術とモデル一体化に基づく被災状況快速評価技術システムの開発を加速し、重大な自然災害状況の快速評価に技術的方法を提供する。自然災害の危険性評価技術を研究し、災害発生の確率、強度と地域分布を確定する。地域の被害受容体の脆弱性評価を展開し、異なる被害受容体の各種自然災害誘発環境下での脆弱性を確定する。重大プロジェクトの影響域、高強度域などの異なる区域を対象とする総合災害リスク評価モデルを研究開発し、自然災害リスク評価を行う。総合災害リスク分析、シミュレーションと意思決定システムを開発し、主要な自然災害リスクコントロールシステムの統合を実現し、自然災害リスク管理と総合緊急情報・意思決定支援プラットフォームを構築する。

(四)重大自然災害緊急救助と意思決定・指揮のコア技術研究開発

 重大自然災害緊急救援の特徴に応じて、災害緊急応答技術体系と緊急救助技術システムを研究開発し、フレキシブルで快速なマルチチャンネル緊急通信技術を重点的に研究開発し、自然災害情報伝達の信頼性と適時性を向上する。重大自然災害緊急データの快速収集、処理と共有サービスシステムの整備を強化し、衛星ナビゲーションおよび測位システムの総合応用技術と衛星リモートセンシングデータ収集のコア技術を研究し、重大災害に関する宇宙・空・地上リモートセンシングデータの一体化高速統合処理を実現し、被災地における緊急救助と緊急指揮のために直観的な基礎地理情報データをリアルタイムに提供し、緊急地理情報の3D可視化によるサービス提供を実現する。国家緊急救援物資調整システムの整備を強化し、生活必需品の一体化緊急支援技術、知能化した機動式緊急災害救援収容総合体のコア技術の研究と実証を推進し、応急支援の標準システムを確立・充実する。自然災害緊急指揮と意思決定支援システムを研究開発し、自然災害緊急救助対策プランの演習技術体系を開発する。多部門連携による地域的自然災害緊急対応技術体系あるいは指揮プラットフォームを確立する。

(五)災害後の回復再建技術体系の研究開発

 被災地の回復再建過程をめぐって、インフラ施設の安全で快速な診断と再建、生態環境の修復と再建、工・農業の回復と再建、ライフラインと生産ラインの回復、水源安全性の解析と測定、災害後の環境汚染評価と整備、回復再建に対する動的モニタリングと効果評価などに関する技術の研究開発を行い、簡単で実施し易い、安全で信頼性が高い、経済・合理的で、応用展開に適する災害後の回復再建コア技術を研究開発し、工業・民生建築、重大なインフラ施設とライフライン工事などにおける自然災害予防措置の基準研究を強化する。

(六)重大な自然災害の予防と生態系修復技術の研究開発

 地震、地質、洪水、干ばつ、台風、台風、雪害、豪雨などの重大な突発性自然災害を対象として、自然災害総合予防のコア技術と被災した生態系の快速修復技術を研究開発し、地域と主要産業部門の重大な突発性自然災害に対応する能力を増強する。土地砂漠化、土壌浸食、地面沈下、生態環境悪化などの遅発性自然災害を対象として、地表環境の乾燥化、植生退化、風食・砂漠化、土壌浸食、塩害化および湿原退化などの進化プロセスを深く研究し、土地の退化プロセスにおける生物多様性の減少、土壌浸食の加速、土地生産力の低下、生態資産の減少、生存条件の悪化、災害リスクの増大などのプロセスとメカニズムに対する認識を深める。系統的な土地退化防止技術と生態系修復技術の研究を強化し、異なる地域の自然災害総合防止に関する技術モデルを構築する。

(七)災害防止・軽減の新素材、新技術、新装置の開発

 災害防止・軽減に用いる新しい実用的な製品を開発し、構造、材質、製造技術などを重点的な研究し、製品の性能あるいは機能を向上する。自前の知的財産権を備え、災害防止・軽減の能力向上に寄与できる観測装置、通信装置、救援装置、予防制御装置と構造防災装置を研究開発し、生命探査、ロボット救援、大型障害物排除、応急修理と応急建設、地滑りの高速排水、放射性核種汚染の予防とコントロール、生活支援などに関する先進的で実用的な装置を開発・試作し、災害防止・軽減に資する素材、工程と装置の技術イノベーションを促進し、災害防止・軽減の効率向上、資源消耗の削減と環境改善に技術的支援を提供する。

(八)国の総合災害防止・軽減科学技術基盤の建設

 総合災害防止・軽減科学機器・研究実験基地、科学データ・文献資源共有サービスネットワーク、科学技術成果移転公共サービスプラットフォームなどの災害防止・軽減科学技術基盤支援システムを構築する。国家フィールドステーションネットワーク、国家重点実験室と国家工学技術研究センターを建設し、国の災害リスク科学重点学科の整備と科学普及訓練基地の建設を強化する。情報、ネットワークなどの近代的技術を利用し、災害防止・軽減科学技術の基礎条件資源を最適化し、災害防止・軽減科学技術資源の効率的配置と総合利用を促進する。

(九)重点地域における総合災害防止・軽減技術の統合・実証

 わが国の快速な都市化プロセスを結び付けて、中東部の都市からなる人口・経済高度密集圏、沿岸部の重要な経済圏、新興都市クラスター計画圏などにおける災害防止・軽減能力の整備を強化する。地震ハイリスク域、重大プロジェクトの影響域、地質災害と台風・豪雨・洪水および海洋災害頻発区域における重大な自然災害と巨大災害の潜在的危険性に対する早期識別、リスク評価、観測と早期警報、エンジニアリング対策、緊急救援と災害後の回復再建などに関する技術の統合実証と成果の普及応用を推進する。西部後進地域の自然災害の特徴に応じて、自然災害が深刻する元の革命拠点地域、少数民族地域、辺境地域、貧困地域、重点流域および重点開発地域を対象とする災害防止・軽減の能力工場に関わる技術統合と実証を強化し、現地の実際状況に結び付けて、専門的な観測・早期警報と大衆による観測・予防を互いに結合した災害防止・軽減モデルを確立し、大衆に向けた総合災害防止・軽減技術実証拠点を形成する。

五、保障措置

(一)指導を強化し、災害防止・軽減に関する科学技術事業を共同で推進

 災害防止・軽減に関する科学技術事業は、分野横断、部門横断、地域横断の複雑な事業であるため、指導を適切に強化し、協同ワーキングメカニズムを確立し、各方面のリソースを積極的に動員し、多数の専門的な力量を結集し、合力を形成して共同で推進しなければならない。

(二)投資を拡充し、多手段の投資体制を確立する

 国の災害防止・軽減分野に対する科学技術投資を持続的に増加するとともに、地方、部門からの科学技術投入をけん引・促進し、社会各界の力を吸引し、多種類の投融資手段を開拓し、ベンチャーキャピタル、保険基金などの導入を積極的に探索し、災害防止・軽減科学技術分野に対する資金投入を増加する。

(三)科学技術資源を統合し、災害防止・軽減科学技術事業を統一的に支援する

 国の戦略目標に着目して、科学技術のニーズを絞り、重点を重視し、国の科学技術計画、パイロットプロジェクト、基礎条件プラットフォーム整備などの科学技術リソースを統一的に運用し、災害防止・軽減に関する科学技術の総合能力を増強し、特に企業をけん引して災害防止・軽減イノベーションシステム整備へ参加させることを重視する。

(四)学科整備を強化し、災害防止・軽減に関する科学技術知識の普及を推進する

 災害防止・軽減に関連する学科の整備を強化し、専門人材の育成を推進する。災害防止・軽減に関する知識研修と応急演習を多様な形で実施し、応急訓練基地の建設と科学普及宣伝を促進し、災害防止・軽減モデルコミュニティの建設などの手段を通じて、国民の自然災害リスク防止意識を全面的に向上する。

(五)国際協力を強化し、先進的な災害防止・軽減理念と技術を学ぶ

 災害防止・軽減分野の国際会議と国際科学技術協力プログラムへ積極的に参加する。わが国の災害防止・軽減科学技術分野の発展重点を結び付けて、主要な国際科学技術協力プログラムの実施を推進し、国際合同実験室と研究センターの建設を促進する。調査研究を展開し、他国・地区の災害防止・軽減分野における先進的な理念、ノウハウと技術を学び、災害防止・軽減科学技術分野において世界先進レベルとの格差を縮小する。


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