第六編 緑色発展 資源節約型・環境友好型社会の構築
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第二十五章 生態保護・回復の促進

 保護の優先と自然修復を主とする方針を貫き、生態系の保護と建設に力を入れ、生態環境の悪化傾向を根本から制止する。

第1節 生態系の安全障壁の構築

 「重点生態功能区」の保護と管理を強化し、水源保護、土壌浸食の防止、防風・砂丘固定の能力を強化し、生物多様性を維持し、チベット高原の生態障壁、黄土高原-四川・雲南生態障壁、東北森林帯、北 方防砂帯、南方丘陵山地帯および大型河川重要水系を骨組みとし、その他の国家「重点生態功能区」を重要な支柱とし、点在する国家開発禁止区域を重要な構成部分とした生態安全戦略の構図を構築する。

第2節 生態系の保護と処理の強化

 天然林資源の保護事業を継続し、耕地や牧地を林や草原に戻す政策の成果を確かなものとし、さらに拡大させ、荒漠化・石漠化・水土流失の総合対策を推進し、林や草原、植生および河川・湖、湿 地をしっかりと保護する。森林・草原の管理・保護を着実に実施し、森林・草原の防火・害虫対策を強化し、草原の生態保護補償奨励メカニズムを実施する。自然保護区の建設・監督管理を強化し、管理・保 護水準を高める。生物の安全管理を強化し、生物種資源の保護・管理に力を入れ、生物種資源の喪失・流失を効果的に防止し、外来種の侵入に積極的に対処する。

第3節 生態補償メカニズムの構築

 開発者による保護、受益者による補償の原則に基づき、生態補償メカニズムの構築を急ぐ。「重点生態功能区」のバランスの取れた移転支出に力を入れ、国の生態補償特別資金の設立を検討する。資 源型企業の持続可能な発展準備金制度を普及させる。下流地域から上流地域へ、開発地域から保護地域へ、生態受益地域から生態保護地域への生態補償の実施を奨励・誘導・探索する。市 場化生態補償メカニズムを積極的に探索する。生態補償条例の制定・実施を急ぐ。

表12 生態系の保護・再生 重点事業
01 天然林資源保護の第2期事業
 天然林資源保護事業区内の森林1億700万ヘクタールを効果的に管理・保護し、公益林の整備と予備森林資源の確保を強化する。
02 耕地の林地・草地への還元
 重点的な生態脆弱地域と重要な生態地点において耕地の林地・草地への還元に向けた取り組みを継続し、25度以上の上り勾配の耕地を重点的に整備する。
03 防護林体制の建設 
 「三北」(西北、華北、東北)、沿海、長江流域、珠江流域などの防護林事業を継続し、森林植生を増やす。
04 北京・天津風砂源対策 
 第1期事業を完了し、第2期事業に移行する。砂質化した土地をさらに整備する。
05 重点的な自然生態システムの保護 
 国家級の砂質地封鎖保護区を法に基づき構築し、野生動植物保護区と自然保護区を建設し、湿地の保護・再生を強化する。
06 草原生態系の保護と建設 
 牧地の草地への還元事業、南方地方の草原開発・利用事業、草原防災事業などを実施する。一方、草原囲い柵を設置し、3億ムー(約1億3千ヘクタール)の草原を改良し、1億5千ムー( 約6千500万ヘクタール)の草地を栽培する。
07 土壌の侵食防止と河川・湖の生態系の再生 
 土壌の侵食防止に向けた国家重点事業を引き続き実施し、傾斜耕地の総合整備を展開し、三峡ダム地区、丹江口ダム地区など重点地区の土壌浸食を防止し、土 壌浸食防止面積を新たに25万平方キロ増やす。石羊河、塔里木(タリム)河など河川・湖の総合整備・再生事業および準葛爾 ( ジュンガル )盆地南端の砂漠化対策事業を強化し、敦煌(トンコウ)に おける水資源の合理的利用と生態系の保護を推進する。
08 カルスト地区の石漠化総合対策 
 石漠化総合対策モデル県の規模を徐々に拡大し、森林・草地植生の保護・拡大の強化、草地資源の合理的開発・利用などの措置を通じて、石漠化の総合対策に一層力を入れる。
09 黄土高原地区の総合整備 
 土壌浸食および土地整備、森林植生の保護・拡大、草食牧畜業の発展などの措置を通じて、土壌浸食および荒漠化の深刻な地域における総合対策に一層力を入れる。
10 西蔵(チベット)生態系の安全障壁の保護および構築 
 天然植生の保護、牧地の草地への還元、砂質化の防止、土壌の侵食防止などの措置を通じて、自治区の中度・重度に退化した草地30%以上を効果的に整備し、重点地域の砂質化防止可能地30%と 侵食面積20%を整備する。
11 三江(長江、黄河、瀾滄江)源自然保護区の生態系の保護と構築 
 森林・草植生を保護・再生し、草地植生の退化・砂質化を抑制し、土壌浸食の防止能力、水源保持能力を強化する。
12 祁連山水源保持区における生態系の保護と総合整備 
 森林・草原・湿地の保護・再生を強化し、生態系の安定性を強化し、水源の保持と土壌浸食の防止を図る。
13 甘南黄河の重要水源補給生態機能区における生態系の保護・構築 
 牧地の草地への還元や砂質化した草原の総合整備、草原のネズミおよび病虫害の防除などの措置を通じて、黄河水源の保持能力を高める。
14 青蔵高原(青海・チベット高原)東南端の生態環境の保護 
 森林・草原・湿地の生態系の保護・構築事業を実施し、砂質化した土地250万ムー(約110万ヘクタール)を整備する。
図5

図5 "両屏三帯"エコ安全戦略構図