日本未上陸!?チュウカネットサービス指南!
2016年 4月26日 (中国総合研究交流センター編集部)
中国のICT産業のなかで特にネット関連中国企業、Baidu(百度:バイドゥー)、Alibaba(阿里巴巴:アリババ)、Tencent(騰訊:テンセント)、略してBATが世界中でホットな話題を提供している。BATがさまざまなサービスリリースや買収劇で熾烈な戦いをくり広げている様子は、市場を熱狂させている。
中国国内圧倒的シェアの検索エンジンポータル「百度(バイドゥ−)」は、日本で浸透しているロボット型検索エンジンGoogleに近いシンプルな使い勝手がウリである。英文ではなく中文漢字検索でのポータル競争に外資勢のGoogleもMSNも苦戦し、結局今に至るまで百度の牙城は崩されていない。アリババが買収した中国ヤフーを国内から追い出し、百度の底堅い強さを見せつけた。百度検索を提供する百度公司は2000年創業。創業者・CEOは李彦宏(リーヤンホン:英語名ロビン・リー)。2005年にNASDAQへ上場し、時価総額は10兆円弱(2015年6月1日時点)。
日本でも名前が知られるようになってきた「アリババ」は、中国ICT企業の代表格といっても過言ではない。アリババはニューヨーク証券取引所に上場し、株式時価総額はおよそ25兆円(2015年6月1日時点)にもなる巨大ネット企業グループである。創業者・CEOは馬雲(マーユン:英語名ジャック・マー)で、1999年創業当初から電子商取引のプラットフォームとして中国大陸内で急成長した。ネット関連企業のM&Aを矢継ぎ早に実施し、2007年香港上場を経て2014年ニューヨーク証券取引所に上場を果たした。アリババを主体とするネットを利用した農村部地方創生事業などに、中国地方政府も資金拠出するなど、中国政府もアリババを積極的に後押しする。
1998年創業のテンセントは、中国大陸でインターネット黎明期からQQというコミュニケーションソフトをリリースしている。使い勝手の良いサービスを追加して、若年層では当時競合していたMSNよりも圧倒的なユーザーシェアを獲得した。創業者・CEOは馬化騰(マーファータン)。目立ちたがりの多い中国企業家だが馬はメディアへの露出が少ないことも特徴である。2004年に香港証券取引所に上場し、時価総額は22兆円弱(2015年6月1日時点)に達している。
日本ではまだあまり知られていないが、中国大陸内で強大な影響力をもつ魅力的なネットサービスを紹介する。日本のメディアでも話題になった中国人観光客の日本ブームのネタ元、いわゆる「爆買い」の火付け役もココにある。日本人が利用しても大変便利なこれらのスマフォアプリ・ネットツールはぜひチェックしてみたい。
上述のテンセントが提供しているWeChat(中国語:微信)は、日本でも有名なLINE、Skype、フェイスブックなどを統合したようなコミュニケーションアプリだ。使い勝手はすこぶる良い。日本語でも文字化けが無いので安心して使える。あなたの友人はすでに使っているかもしれない。
中国版ツイッターの微博(ウェイボー)も人気である。字数制限もツイッターと同じ140文字だが、主に漢字を使用するのでより高い表現力になる。クチコミでのバズを広げるという機能は微博が強い。有名人のつぶやきが数百万ユーザーにリーチし一瞬で火がつく商品も出現する。また無名のヒトが一夜にして有名人になることもある。日本からはインバウンドビジネスに活用することも多い。新浪社(SINA)が提供するサービスである。
フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、アップルなどほとんど米国発企業が中心だった世界のネット業界は、中国大陸というこれまで巨大な「ガラパゴス」だった地域から突然やってきたBATたちの動向に興味津々だ。これからは、世界で米国発、中国発のネット企業が競争していくだろう。世界を巻き込んだ戦いを繰り広げているが、それでも今なおBATの「主戦場」は中国国内だ。