科技部:ハイテクベンチャーで質の高い雇用を牽引
2020年11月02日 崔 爽(科技日報記者)
「各種国家・地方科学技術計画プロジェクトを担う関連機関に対し、リサーチアシスタントのポストを10万以上増やすよう働きかけを行い、ハイテク産業開発区起業インキュベーション機関、ベンチャー企業の雇用ポスト15万以上を掘り起こし、全国のハイテク企業はすでに今年の大学新卒者を97万人受け入れた」10月15日、2020年全国大衆による起業・イノベーション活動ウィーク(以下「活動ウィーク」)が開幕し、科技部(省)の指導により、科技部タイマツセンターが主催した「ハイテクベンチャーによる質の高い雇用牽引行動」特別イベントで、科技部の苗少波秘書長がこれらの一連の数字を示した。
苗秘書長は「今年に入って以来、科技部は党中央と国務院の政策決定・配置を真摯に徹底・実行し、科学技術イノベーションが質の高い雇用を支える上で果たす根源的な役割を存分に発揮し、『ハイテクベンチャーによる質の高い雇用牽引行動』を始動・実施し、ハイテクベンチャーの革新を通じて、新たな雇用ポストを創出し、新たな産業の振興を促し、新たな雇用を牽引した」と指摘した。
雇用を維持することは「六つの安定(雇用、金融、貿易、外資、投資、期待の安定)、六つの保障(住民雇用、基本的民生、マーケットエンティティ、食糧・エネルギー安全、産業チェーン・サプライチェーン安定、末端の行政運営の保障)」の重要任務であり、社会の注目度が最も高い話題の一つでもある。北京理工大学の龍騰副学長は「現在の国内外の情勢と新型コロナウイルス感染症の影響を受け、大学生の雇用は大きなプレッシャーに直面している。我々はこれまでのいかなる時よりも科学技術イノベーションによって大学生の雇用を牽引していく必要がある。これは政府、大学、社会各界の共通認識だ」と直言する。
今回の活動ウィークは「革新が起業を導き、起業が雇用を牽引する」をテーマにしている。苗秘書長は「これは、党中央と国務院の一連の政策決定・配置を徹底・実行し、革新的起業に有利な良好な環境をよりいっそう整え、複数のルートから起業・就職を促進し、国内の大循環を主体とし、国際・国内の2つの循環が相互に促進し合う新たな発展構造を作り上げなければならないことを意味している」との見方を示した。
科技部タイマツセンターの賈敬敦主任は「科学技術がカギになる。科学技術は技術や製品という形で資本と結び付き、体系を構築しなければならないが、技術だけあっても一つに結び付くことはできず、創造も必要になる」と指摘する。賈主任が強調する「創造」はモデルや業態に重きを置いている。賈主任によれば、国の科学技術の質の高い発展を本当の意味で推進し、特に科学技術の革新的起業を国の質の高い技術研究開発の強大なエンジンにするためには、具体的で実行可能なモデルを見つけ出さなければならない。科学技術による質の高い雇用の牽引は一つの系統的プロジェクトであり、イノベーション、起業、雇用、企業、産業が必然的に五位一体となる。
質の高い就職者を育成し、送り出す立場にある大学は、質の高い雇用の推進事業において重要な役割を担っている。では、ハイテクベンチャーによって質の高い雇用を牽引するにはどうしたらいいのだろうか。龍副学長は、まず科学技術成果の事業化政策の実施をさらに推進し、教師・学生の起業成果の所有権の帰属やストック・インセンティブなどの問題をしっかり解決し、起業を考え、起業能力を持つ教師や学生が勇敢に第一歩を踏み出せるようにするべきだと強調している。
龍副学長は「大学起業インキュベーション体系の整備を加速させ、技術の事業化を行う機関を促進し、インキュベーション・プラットフォームや大学サイエンスパークなどハイテクベンチャーのクローズドループを重視し、チェーン全体で大学生の革新的起業を支えるべきだ」と指摘する。さらに「大学も社会の力を積極的に動員し、広く起業インキュベーション機関、投資機関、企業と密接な協力を行い、大学生の革新的起業に広いルート資源とプラットフォームを提供し、主体的に革新的起業プロジェクトを探求・展開し、大学生の起業スキルを高めるべきだ」との見方を示した。北京理工大学は今年すでに技術移転を専門とする大学院修士課程の学生育成を始動させており、今後は革新的起業の教育面で引き続き探求を続けていくという。
※本稿は、科技日報「科技部:用科技創業帯動高質量就業」(2020年10月16日付4面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。