第173号
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米スペースXがベンチマーク 中国の「星網」計画に未来はあるか

2021年02月09日 陳惟杉/『中国新聞週刊』記者 神部明果/翻訳

衛星インターネットが「新型インフラ」と呼ばれる政策の範囲に組み込まれて以降、興業銀行研究チームの概算によれば今年の国内の同分野に対する投資額は117億元に達する見込みとなっている。これが中国で成長まっただ中の商業宇宙市場にとっての刺激となることは間違いない。

 米スペースX(SpaceX)社の打ち上げロケット「ファルコン9」は現地時間10月6日、4度の延期を経て「スターリンク(Starlink)」計画の衛星60基を宇宙に送り出した。これでファルコン9は65回連続で打ち上げに成功している。前回の発射失敗は2016年9月とかなり昔の話になり、ファルコン9の打ち上げ成功は世間ではすでに当たり前になっている。とはいえ、今回はスペースXのスターリンク計画にとって重要な節目となった。同社の設立者であるイーロン・マスク氏は、これらの衛星が目標位置に到達しさえすれば、スペースXは米国北部およびカナダ南部でスターリンクのベータテストを開始できるとツイートしている。

 スペースXは2015年初頭にスターリンク計画を発表した。地球の地表に近い軌道上に集中配備する衛星でコンステレーション〔一体運用される衛星群〕をつくり、全世界にインターネットサービスを提供することを目的としたものだ。現時点で12回にわたりスターリンク1.0版の衛星が打ち上げられており、この衛星インターネット計画の発射済み衛星数は累計775基、スペースXはすでに目下最大の衛星運営事業者だ。

 4月末、北京市ではスターリンクの衛星が夜空に一の字を描く様子が観察された。テクノロジー領域における中米間の対立が顕著になりつつある現在、この衛星事業を「姿の見えない膨大なプレッシャー」と形容する人々もいる。それはアメリカ人が1957年にソ連による世界初の人工衛星「スプートニク1号」の発射成功を知らされたときの感情に近く、間違いなく国家安全保障に関する懸念を伴っている。こうして中国の衛星インターネット計画はいま静かに動き始めた。

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計り知れないポテンシャルをもつ衛星インターネット。写真/視覚中国

注目を集める衛星インターネット事業

 国務院は2014年、民間資本が衛星産業の実用化と発展に参与するよう促す文書を発表した。だが、これ以降も民間企業が衛星産業にこぞって参入し、衛星インターネット領域に着目することはほとんどなかった。宇宙ビジネスの「ベンチマーク」スペースXが2015年初頭にスターリンク計画を発表したにもかかわらずだ。当時衛星関連企業の責任者だった人物は、ブロードバンド用コンステレーション技術は複雑で市場のニーズも不明確だったからだと釈明している。

 だが2020年上半期、衛星インターネット市場は注目の的となった。これは国の意向に推された部分がかなり大きい。

 4月、国家発展改革委員会は記者会見で「新基建〔新型インフラ建設〕」の範疇を詳細に公表し、衛星インターネットと5Gはいずれも通信ネットワークインフラ〔通信ネットワーク、情報インフラ、融合インフラが「新基建」の三大範疇〕の代表格とされた。これ以降、上海、福州、北京などで発表された「新基建」アクションプランにも衛星インターネットが組み込まれ、例えば上海の2020~2022年アクションプランには「衛星インターネット情報サービス能力をおおむね形成する」とまで掲げられている。また、複数の情報筋によると、現在設立中の衛星インターネット運営事業者の総本部は上海になるということだ。

「設立後は副部級中央企業〔国務院国有資産監督管理委員会の管理を受ける中央企業。共産党中央委員会組織部が主要幹部を任命する〕になるだろう」。ある関係者によれば、同中央企業は業界内で「星網集団」、またこれに伴う中国衛星インターネット計画は「星網」と呼ばれている。

「星網集団の設立は再三延期されているが、準備チームは半年以上業務を続けてきた。チームのスタッフは所属企業から出向しており、中国電子信息産業集団の張東辰(ジャン・ドンチェン)総経理もそのうちの1人だ」。上掲の関係者によれば「意思決定をおこなう準備チームは主に中国電子信息産業集団、中国電子科技集団(CETC)、中国電信(チャイナテレコム)のスタッフから構成されている。また宇宙システム関連企業のスタッフの多くは実務レベルで参与している」という。

「衛星インターネット計画を進めるなかで、設備事業者と運営事業者のどちらをメインにするかで議論になったこともある。しかし、星網集団のポジションは衛星インターネットの構築ではなく運営であり、構築段階の入札では発注側となる」。準備チームに近いある人物はこう述べており、構築、運営、端末とその実用化の3段階に分けて考えた場合、構築段階の参加者は国営企業がメインとなり、運営は星網集団がおこない、端末とその実用化については市場に開放されるとのことだ。

「星網の構築期間は3~5年続く。計画の大きな方向性はすでに定まっているが、細部に関しては若干の調整があるだろう」と上掲の関係者は述べる。

 スペースXとワンウェブ〔One Web、米国の衛星通信会社〕の2社が推進する衛星インターネット計画で打ち上げ申請された衛星数はいずれも万単位の規模に達する。一方、中国の衛星インターネット計画でも国際申請がすでに始まっており、「中国電信股份有限公司衛星通信分公司」の名義で申請された衛星数は1万基を超え、衛星数が万単位に達するコンステレーション計画としては世界で3番目になる可能性がある。

宇宙を舞台とした陣取り合戦

 各衛星インターネット計画で公表されている衛星数はそれぞれ異なるが、絶えず「膨らんでいる」点はどれもだいたい同じだ。スターリンク計画では当初の4425基から現在では4万2,000基近くにまで増加した。またワンウェブが当初打ち上げを計画していたのはわずか720基だったが、今年3月の破産申請後も新たに4万8,000基の打ち上げを申請した。同社はこの後イギリス政府の出資を受けている。また米国連邦通信委員会(FCC)が7月末に承認したアマゾンの「プロジェクト・カイパー」の衛星数は3236基となっている。

「スペースXでは第一段階のユーザーを北米地域に設定しているため、スターリンクの傾斜角は53度に設計され、衛星数700~800基を達成した際にはまず北米地域を優先的にカバーし、いきなり全世界をカバーすることはしない。一方、ワンウェブは最初から800基足らずの衛星で全世界を平均的にカバーしようと考えていた」。北京九天微星科技発展有限公司の謝涛(シエ・タオ)CEOはこう語る。

 全世界をカバーするには果たしてどれほどの衛星数が必要なのだろうか。銀河航天(北京)科技有限公司のパートナーを務める高千峰(ガオ・チエンフォン)副総裁は次のように言う。「軌道の高度が低ければ低いほど世界をカバーするのに必要な衛星数は多くなる。それは懐中電灯で地上を照らす際、地面との距離が近ければ照射範囲が狭くなる現象と似ている」。「数百基から1,000基ほどの衛星があれば全世界をほぼカバーできるが、100%漏れなくカバーするにはさらに衛星を追加する必要がある。カバーエリアでの通信状況をさらに向上させたければ、衛星をもう一層打ち上げ、複数の通信方式によるサービスを実現することも可能だ」

 スペースXのヴァイスプレジデントを務めるマーク・ジュンコサ氏は以前、打ち上げが12回完了すればスターリンクは米国全土を、24回で世界の大部分の人口を、そして30回で全世界をカバーできると述べている。

 この点もスペースXが「賢い」とされるゆえんだ。「スペースXは比較的着実な路線を歩んでいる。今年はまず北米地域でインターネットサービスを提供し、その後は衛星の投入を一旦停止するだろう。開始早々に全世界のカバーを目指し、絶えず投資しているのに収益が出るのはコンステレーションの配備が完了してからというワンウェブとは違う」と北京中科宇航探索技術有限公司で董事長兼総裁を務める楊毅(ヤン・イー)氏は言う。同氏によれば、スターリンクが全世界のカバーを実現するにしても4万基以上の衛星は必要ないという。「まずは実質的な力を作り出す、周波数や軌道リソースを獲得するというのがマスク氏だ。これは不動産業に通じるところがあり、たとえどれほど優れた計画ができても土地を落札できなければ無意味なのと似ている」

 高度300、400㎞から1,200㎞までの空間は低軌道の範囲に含まれており、現在の主要な衛星インターネットコンステレーションの配備エリアでもある。謝氏は「低軌道衛星では通信遅延〔レイテンシ〕がより小さい。スターリンクの遅延は20msだが、高軌道衛星では一般的に数百msにも達する。低軌道衛星は地表に近いため、地上端末が必要とする消費電力も小さく体積も小さく済むため、ユーザー拡大に好都合といえる」と言う。さらに同氏は、高軌道リソースの棲み分けはすでに定まっており、新興衛星運営事業者であるスペースXは新たな成長領域を切り開く以外にないという事情もつけ加えた。

 宇宙での陣取り合戦がいままさに繰り広げられている。スペースXはすさまじいペースで低軌道周波数帯域や軌道リソースを占拠しており、これが中国の衛星インターネット計画に火を付けた重要な要因であるとも考えられている。

「スターリンク計画は高度550㎞の軌道に4,500基以上の衛星を配置するもの。もし衛星の軌道投入精度が高く、軌道と軌道の間の距離が短縮できた場合、例えば10㎞間隔で一つの軌道を配置できれば、純粋に空間の視点からみた場合に収容できる衛星数が多くなる。だが技術や周波数などの要素からくる制約を踏まえると、低軌道内に収容できる衛星数はおよそ10万基だと我々は推測している」〔謝氏〕

 商用衛星に詳しいベテランは「軌道の使用は原則的に早い者勝ち。既存の衛星に後から打ち上げられた衛星が衝突した場合、後者が全責任を負うことになる」としたうえで、軌道リソースに比べより不足しているのはおそらく周波数リソースだと述べる。「国際電気通信連合〔ITU〕は、企業名義で申請した周波数は、先に申請し、先に使用を開始した企業のものであると規定している。衛星インターネット用周波数の申請ランキングで中国は60位以内にも入っていない」

「申請が遅かったというのが事実。周波数も早い者勝ちであり、スペースXやワンウェブはおそらく数年前には申請を始めている」とある衛星関連企業の責任者は話す。この責任者によれば、国内ではオペレーションを実施する企業が工業・情報化部無線通信監理局に衛星関連資料を提出し、承認後に政府当局からITUに提出する必要があるという。

「これまで一部の中国企業はITUでの順番待ちに参加する機会を逃していた。なぜなら中国国内ではまず各社間で調整をおこない相互に干渉しないルールとなっていたが、結果的には深刻な内輪もめが発生し、各社がお互い譲らないという事態が生じていたためだ」

「国が政策レベルでの適切な緩和をおこない、民間企業の参与をさらに開放・支援し、体制またスキームとしての強みを発揮して国際資源競争に加わることを望む」と高千峰氏は言う。例えば米国FCCはスペースXのスターリンクとアマゾンのプロジェクト・カイパーなどを大々的に支援したうえで、政府と軍部の関連事業に参入するのを奨励しており、こうした企業が速やかに発展するよう促しているということだ。

「周波数と軌道は何としても手にいれるべき」――低軌道リソースの奪い合いは今後、大国同士の駆け引きになると謝氏は考えている。

中国に衛星インターネットは必要か

 周波数や軌道を奪い合う背景にあるのは、衛星インターネットがもたらす商業利益だ。

 米国衛星産業協会(SIA)の統計によれば、2019年のロケット打ち上げ事業は宇宙経済全体のわずか約1.3%、売上高はおよそ49億ドルにすぎない。スペースXが全世界の発射事業を一手に受注したとしても収益はたかが知れている。

「実のところマスク氏はスターリンク計画を通じて自分自身でニーズを創り出しているのだ。多くの衛星運営事業者はスペースXのロケットを選択していないのが現実であり、米軍とNASAが毎年スペースXに発注しているのもおそらくたかが2、3発にすぎない」と楊氏は述べる。

 マスク氏は以前、スターリンク計画はスペースXに毎年300億ドルの収益をもたらすと見積もっているが、これはロケット打ち上げ事業の10倍だ。

スペースXは現在、米国農村デジタル機会基金〔RDOF〕からの出資獲得を目指している。同基金は10年で204億ドルを割り当て、米国の1450万人にネットワークサービスを提供する計画だ。マスク氏はこれまで、スターリンクのターゲットユーザーは既存の通信事業者とは異なり、彼らの脅威とはならないと再三述べている。

「ここ数年、グーグルやFacebookといった米国のテックジャイアントはユーザー数の伸び悩みに直面しているため、インターネットのカバレッジ拡大には現実的なニーズがある。過去には熱気球や飛行機を基地局としたインターネットサービスの提供実験をおこなったこともあるが、現在は衛星インターネットプランがより確実だとみている」と中科創星〔CASSTAR〕の創業者でありパートナーを務める米磊(ミー・レイ)氏は述べる。スターリンク計画が2015年に発表されると、グーグルはすぐさま米フィデリティ・インベスメンツと共同でスターリンクに10億ドルを投資している。

「中国のモバイルネットワークのカバレッジは米国をはるかに上回り、『村村通〔農村部の通信インフラ向上を目指した国家プロジェクト〕』はすでに完了済みだ。だだっ広くて人口が少ない米国中西部の一部地域はかなりの確率で地上ネットワークの圏外になるが、中国はそうならない」と米磊氏は言う。米国の衛星インターネットへのニーズは中国に比べ切迫していると同氏は考える。「人口密集地区での地上基地局の建設コストは衛星インターネットをはるかに下回る。このため地上基地局が十分にカバーできているエリアでは一般的に衛星インターネットを必要としない。米国のイリジウム計画が2G基地局に敗れたのは、結局のところ地上基地局のコストの低さによるものだった」

 謝涛氏の考えでは、中国の中西部地域の一部農村では、おそらく衛星によるインターネットサービスのほうがより経済的だという。「例えば、電波が1つの村全体をカバーするには、鉄塔と基地局を建てたあとに光電費が年間数十万元かかる。だが実のところそうした地域における日常のインターネットニーズはそこまで高くない。こうした状況では衛星を使用したほうが経済的だろう」

「地上インターネットで効果的にサービスを提供できない地域には衛星インターネットが優先的に解決すべき硬直的需要がある。しかし今後は必ず地上インターネットと統合され、各種シーンにおいて相互に補い合う関係となるだろう」と高氏は言う。同氏が思い描く情景は次のようなものだ。5G基地局の密度は4G基地局の10倍以上となるため、広範囲での建設は大きな課題に直面するだろう。このため今後は同じ鉄塔に5G基地局と衛星インターネット端末の両方を設置し、衛星インターネットで5Gのデータバックホールを解決する。衛星インターネットの導入が通信事業者の光ファイバー敷設コストの一部節約になるというわけだ。「良好なインターネット体験を提供でき、コストも十分に低ければ、人口が密集する都市でも衛星インターネットがやはり受け入れられるだろう」

 衛星インターネットの通信速度はどの程度なのだろうか。スペースXのこれまでのテストでは、下り速度が100Mbps前後となっている。「実際、スターリンクはこれ以上の通信速度も実現できる。銀河航天と通信事業者が実施した衛星インターネットと地上5Gインターネットによる共同テストでは、スマートフォン実測の下り速度が387Mbpsに達した。また最近の通信速度試験では、個別端末の通信速度が最高で1.5Gbpsに達した」〔高氏〕

 スペースXは今年に入りすでにスターリンクのユーザー端末とルーターをリリースしている。ビジネスでの活用を推進する一方で、スターリンクと米国軍部との連携も急速に深まっている。

「『寓軍於民〔軍需と民需を統一する〕』方式により、スターリンクは米国の軍事ニーズに応えることができる」と楊氏は言う。同氏の考えでは、衛星インターネットは地上ネットワークがカバーできない地区にサービスを提供するという単純な話ではない。背後には軍事および国家安全保障上の狙いが多く隠されている。「中国にとっても同様、ルートサーバーはいずれも国外にあることからネットワークセキュリティは一貫して懸念事項となってきた。衛星インターネットは新たなネットワークシステムを一から構築するのに等しい」

 中・米のビジネスニーズに確実な隔たりがある状況では、国家戦略および軍事上のニーズが間違いなく存在すると謝氏も考える。「衛星インターネットは宇宙に配備される鉄塔のようなもの。ブロードバンドサービスの提供だけでなく、カメラを搭載すればリモートセンシングが、またナビゲーション増強のためのペイロードを搭載すれば自動運転のサービスも提供できる。搭載するペイロードによって多くの活用方法が生まれるのだ」

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2020年1月16日11時2分、酒泉衛星発射センターから快舟一号甲ロケットが発射。中国初の通信能力10GBpsの低軌道ブロードバンド通信衛星「銀河航天首発星」の打ち上げに成功した。写真/中国新聞社

民間企業のチャンス

 衛星インターネットが「新基建」のカテゴリーに組み込まれてから、興業銀行研究チームが、今年の国内の同分野に対する投資額は117億元に達し、これが成長まっただ中の中国商用宇宙市場にとっての刺激となることは間違いないとの見込みをだした。「国が衛星インターネットを投資目標に定めてから、5G建設同様、何兆元にものぼる投資が産業チェーン全体を大きく突き動かしている」と米磊氏は述べている。

 スペースXはスターリンク計画への投資額を公開していないが、マスク氏は9月末、安定的かつ予測可能な利益が出た後、スターリンクを上場させる計画だとツイートしている。スペースXの幹部がスターリンクの上場を明言したのはこの年これで2回目になる。楊氏は「スターリンクは必ず上場するだろう。目的は資金調達ルートの拡大だ」と話す。通信用衛星コンステレーションを配備する条件の一つは、非常に強力かつ持続的な資金調達能力だと同氏はみている。

「企査査〔中国の企業情報調査機関〕」のデータによれば、昨年上半期の衛星インターネット関連企業の新規登録件数は1,128件、前年同期比158%に達した。

 しかし、「現時点で中国には通信用衛星コンステレーションの配備に数百億元を投資できる企業はおそらく1社たりとも存在しない。国内のすべての商用衛星企業の調達額を合算してもスペースXの1回の調達額には及ばないだろう」と謝氏は話す。同氏によればスペースXの昨年8月の調達額は20億ドルに達したという。「こうした背景のなか、国の衛星インターネット計画に完全に乗ることが商用衛星企業にとっては比較的安定した市場の確保になる」

「衛星インターネットという概念は宇宙ビジネスの『起爆剤』になった。もしこの概念がなければ、リモートセンシングやナビゲーション増強といった他の商用衛星事業の打ち上げニーズはこれほど大きくはならず、国のロケット打ち上げだけで十分にニーズが満たせていただろう」と楊氏は述べている。

 現在スペースXは毎日2~3基、1カ月で約60基のペースで衛星を製造しており、2020年末までに累計打ち上げ数が1,000基を超えるとみられる。

「低軌道通信衛星コンステレーションの計画は着手が遅れれば遅れるほど損をすることになる」。あるベテラン宇宙飛行士は感慨深げにこう述べた。


※本稿は『月刊中国ニュース』2021年2月号(Vol.108)より転載したものである。