【07-16】自主イノベーション加速化と環境保護などを推進、中国科学技術協会年次総会報告
2007年11月20日
中国科学技術協会主催の2007年度年次総会は9月8日、湖北省武漢市華中科技大学のキャンパスで開催された。6日間の会期中に、「省エネ・環境保護、調 和の取れた発展」をテーマに、数々のスペシャル報告会、科学技術普及活動、学術討論会、座談会や表彰式などが行われ、延べ35万人以上が年次総会にとも なって開催された各種イベントに参加した。中 国科学技術協会調査研究宣伝部の王春法部長が、この大会の盛況振りと大会の持つ重要な意義のリポートを提供し てきたので紹介したい。
中国科学協会年次総会は中国科学技術界の盛大な大会であり、また中国科学技術協会の最も重要な社会と相互に影響しあう活動でもある。1 999年に中国科学技術協会第五期第四回常務委員会議が中国科学技術協会学術年次総会制度の確立を決定して以来、前後して杭州、西安、長春、成都、瀋陽、瓊海博鰲、ウルム チ、北京、武漢において関係する省、自 治区、直轄市人民政府と共同で九回の学術年次総会を開催するとともに、2006年に総合的な、学科を跨いだ、開放的 な学術年次総会によって大規模に科学技術を普及させ、総合的で交差する、開 催地のために奉仕する総合的な年次総会へのタイプ転換を順調に実現させた。実践 は、科学技術協会年次総会を定期的に開催することを通じて、情報を相互に通じ合い、人材を発見し、社会に奉仕することは、科 学技術教育興国戦略と人材強国 戦略を貫徹して実行する上での重要な方途であり、科学技術の繁栄と発展を促進するのに有利であり、科学技術を普及及び推進するのに有利であり、科 学技術の人材の成長と向上に有利であり、科学技術と経済の結合を促進するのに有利であり、社会的に広範な影響を生じており、開催地と広範な科学技術活動家の普遍的な歓迎を受けていることを示している。
2007年の中国科学技術協会年次総会は9月8日から14日にかけて湖北省武漢市で開催され、中国科学技術協会と湖南省人民政府が共同で主催し、年次総 会のテーマは「省エネ・環境保護、調 和の取れた発展」であった。9月8日、年次総会開幕式が華中科技大学光谷体育館において行われ、中国の国家指導者、国 内外の著名な科学者、実業家、会議代表と湖北省各界人士約6,000名が開幕式に出席し、こ の中には中国科学院、中国工程科学院のアカデミー会員116名 が含まれている。
開幕式の後、周光召、路甬祥、万鋼、陳竺、羅清泉、楊福家、秦大河、李徳仁、張侃等の専門家・学者がそれぞれ「973国家重点基礎研究発展計画の十年」、 「21世紀の技術イノベーション進化の展望」、_ 「科学発展を堅持し、自主イノベーションを加速化させ、省エネ排出削減工作のために強大な科学技術のサポー トを提供しよう」、「科学技術に依拠して医療衛生の改革発展を推進しよう」、「構造を最適化し、環 境を保護し、立派で快速な発展を実現させるために努力し よう」、「省エネ、排出削減と人としてやるべきこと」、「気候変動科学の最新の進展−同時に凍結圏の動態変化を論ず」、「中国の地上観測衛星及びその応 用」、「心理科学と社会発展」の9つの大会特別招待報告が行われた。開幕式では、香港求是科学技術基金会求是傑出科学技術成果団体賞、中国科学技術協会求是傑出青年賞の授賞式が行われた。
年次総会期間、年次総会のテーマと「全国民科学的資質行動計画要綱」の2007年度テーマ「エネルギー資源を節約し、生態環境を保護し、安全・健康を保障する」をめぐり、1 3シリーズ146項目の科学技術普及活動が設けられ、参加者は35万余名に達した。
学術交流の総合的交差性を十分に具現化するため、年次総会参加の科学技術工作者は「省エネ環境保護技術及びその運用」、「バイオエネルギー及びその開発 利用」、「グリーン製造と複合材料」、「 情報化と管理のイノベーション」、「医学と健康」、「工業設計とクリエイティブ産業」、「環境安全と人類の健康国 際シンポジウム」、「資源環境と持続可能な発展」、「現代農業と新農村建設」、「 環境保護及び人と自然の調和発展」、「科学技術イノベーションと区域発 展」、「科学技術の伝播と公衆の科学的資質建設」、「現代消防と調和発展」、「青少年中毒行為の予防方策」、「 科学技術コミュニティの発展と国家イノベー ション体系の建設」等の内容をめぐり、15の分科会会場、41のユニット会場において広範な掘り下げた学術研究討論が行われ、合計2,716名が交流活動 に参加し、論 文1,797編が採用され、この他800余名の地元科学技術活動家が学術交流活動に参加した。その中で、「環境安全と人類の健康国際シンポジ ウム」分科会会場は初めての試みとして英語を交流の言語とした。< /p>
開催地の経済社会発展のために奉仕するという目的を達成するため、年次総会は「湖北光電子情報と通信技術産業発展フォーラム」、「湖北自動車産業発展フォーラム」、「 湖北燐化工の持続可能な発展フォーラム」、「湖北交通建設の持続可能な発展フォーラム」、「県域経済の発展と新農村建設 フォーラム」、「中部地区の興隆と都市群発展フォーラム」、「 湖北省防災災害減少と緊急管理体系建設フォーラム」、「資源環境と持続可能な発展フォーラ ム」、「重化学工業と湖北石化産業構造調整フォーラム」、「三峡工事完成後の長江中流に対する影響フォーラム」、「 原子力エネルギー開発と内陸原子力発電 建設専門家フォーラム」、「グリーン鋼鉄と湖北鋼鉄産業発展フォーラム」の12の特別テーマのフォーラムを設置し、参 加した3,000余名の専門家・学者 は湖北経済社会の発展のために献策し、極めて良好な効果を収めた。
会場には多くの子供たちも参加し、展示されている実験装置を見学したり自分で操作するなど科学に触れる機会を持ち、楽しい時間を過ごした。
年次総会期間、またアカデミー会員、専門家と湖北省の政府指導者との座談会、香港、マカオ代表の特別テーマ学術座談会等の関連の活動が行われた。
王春法:中国科学技術協会調査宣伝部 部長
略歴
1963年生まれ。
88年蘭州大学卒業。
90~98年、中国社会科学院世界経済・政治研究所助理研究員、副研究員、研究員。
98年中国社会科学院大学院経済学博士。
98~99年、アメリカジョージ・ワシントン大学国際科学技術政策センター訪問学者。
2000年アメリカジョージ・ワシントン大学国際科学技術政策センター研究員。
03年中国社会科学院政策研究室副局長級学術秘書に任じ、「国家中長期科学技術発展計画」の策定に参加。
04~05年、全国人民代表大会常務委員会弁公庁研究室国際室主任(副局長級)。
05年11月~07年3月、中国科学技術協会調査研究宣伝部副部長。
現在、中国科学技術協会調査研究宣伝部部長。科学技術政策研究会副理事長、中国科学院政策・管理研究所研究員を兼務。
著書
「技術イノベション政策:理論基礎とツールの選択----米国と日本の比較研究」
「経済グローバル化下の科学技術競争の道」
「国家イノベション体系の理論と実践」
「国家イノベション体系と東アジアの経済成長の将来性」
「主要先進国のイノベション体系の歴史的変遷と発展の趨勢」
「幻と現実----米国新経済の研究」
共著
「中国科学技術発展研究レポート」(2000、2001、2002、2003、2004、2005)
「中国の地域のイノベション能力レポート」(2001、2002、2003)
「科学技術のグローバル化と中国科学技術発展の戦略選択」(2007)