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【23-01】定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その22)

2023年01月18日 辻野 照久(元宇宙航空研究開発機構国際部参事)

 今回は、定点観測シリーズの第22回目として、2022年10月1日から12月31日までの3か月間の中国の宇宙開発動向をお伝えする。

 本期間の中国の顕著な成果は、有人宇宙活動分野で3回の打上げを行い、初期段階の中国宇宙ステーション(CSS)をT字型の3モジュールで構築し、有人宇宙船や物資補給船を定期的に打ち上げて恒常的な宇宙運用を行っていく体制を整えたことである。

 年間を通じてみると、数年間打上げ回数で世界の首位に立っていた中国が64回の打上げで過去最多を更新したにもかかわらず、米国の78回にははるかに及ばなかった。米国のスペースX社は61回の打上げで中国と交互に打上げを行っているという感があった。米中の大幅な増加により、2022年の全世界の打上げ回数は179回と、過去最多だった昨年を大幅に上回った。衛星数も全世界で2,478機と過去最多を記録した。

2022年第4四半期までの世界のロケット打上げ状況

 本期間のロケット打上げ回数は、中国が22回(うち1回は打上げ失敗)、米国が23回、ロシアが9回、欧州が2回(うち1回は打上げ失敗)、ニュージーランド(NZ)が2回、インドが2回、日本が1回(打上げ失敗)で、全世界で61回であった。表1に2022年の世界各国のロケット打上げ回数を示す。

表1 2022年の世界のロケット打上げ回数 ★は打上げ失敗(内数)
*1 米国の[ ]内はスペースX社の打上げ回数(内訳)
  期間   中国 米国*1 ロシア 欧州 NZ 日本 インド イラン 韓国 世界計
1月-3月 8 17[11](★1) 4 1 1 0 1 1 0 33(★1)
4月-6月 14(★1) 18[16](★1) 4 1 3 0 1 0 1 42(★2)
7月-9月 20 20[16] 4 2 3 0 1(★1) 0 0 50(★1)
10月-12月 22(★1) 23[18] 9 2(★1) 2 1(★1) 2 0 0 61(★3)
64(★2) 78[61](★2) 21 6(★1) 9 1(★1) 5(★1) 1 1 186(★7)

中国と米スペースX社のロケット・衛星打上げ状況

 この期間に中国は22回の打上げ(打上げ失敗1回を含む)を行い、自国衛星47機を打ち上げた。この他、軌道投入失敗が11機あるが、「智星1B」以外の10機は衛星名さえも不明である。地球観測衛星(気象衛星を含む)は27機、通信放送衛星(AIS衛星、IoT衛星、アマチュア無線衛星を含む)は5機、有人宇宙船は2機(CSS実験モジュールと神舟15号)、物資補給船は1機、宇宙科学衛星は1機、技術試験衛星は11機である。この他に、5月に打ち上げられた「天舟4号」が大気圏突入の前に「智星3A」衛星を放出した。「宇宙切手の展示室」では、第2四半期打上げの衛星とし、2022年の衛星総数181機の中に含めた[1]

 表2に中国の打上げに使われたロケットや軌道投入された衛星などの一覧表、表3にロケット種別による2022年12月までの中国の打上げ回数と衛星数を示す。

表2 2022年10月1日から12月31日までの中国のロケット・人工衛星打上げ状況
国際標識番号の*は英字が未定であることを示す。
衛星名 国際標識番号 打上げ年月日 打上げロケット 射場 衛星保有者 ミッション 軌道
Xiangrikui S5 向日葵 2022-126A 2022/10/7 長征11H 洋上 微厘空間 技術試験 SSO
Xiangrikui S6 2022-126B
Kuafu(ASO-S) 夸父 2022-129A 2022/10/8 長征2D(2) 酒泉 CAS 宇宙科学 SSO
Huanjing Jianzai 2E 環境
减災
2022-132A 2022/10/13 長征2C(3) 太原 CRESDA 地球観測 SSO
Yaogan 36-02A 遥感 2022-133A 2022/10/14 長征2D(2) 西昌 PLA 地球観測 LEO
Yaogan 36-02B 2022-133B
Yaogan 36-02C 2022-133D
Shiyan 20C 試験 2022-142A 2022/10/29 長征2D(2) 酒泉 CAST 技術試験 SSO
Mengtian 夢天 2022-143A 2022/10/31 長征5B 文昌 CMESO 有人宇宙船 LEO
Zhongxing 19 中星 2022-148A 2022/11/5 長征3B/G2 西昌 中国衛通 通信放送 GEO
Yunhai-3 01 雲海 2022-151A 2022/11/9 長征6A 太原 SAST 気象観測 SSO
Tianzhou-5 天舟 2022-152A 2022/11/12 長征7 文昌 CMSEO 物資補給 LEO
Xiwang 4 希望 2022-152C CAMSAT 通信放送
Zhixing 3A 智星 2022-050* 2022/11/14 長征7(天舟4) 文昌 智星 技術試験 LEO
Yaogan 34-03 遥感 2022-154A 2022/11/15 長征4C 酒泉 PLA 地球観測 LEO
Jilin 1 Gaofen 03D-08 吉林
高分
2022-155E 2022/11/16 穀神星1 酒泉 長光衛星技術 地球観測 LEO
Jilin 1 Gaofen 03D-51~54 4機 2022-155D、C、B、A
Yaogan 36-03A 遥感 2022-160A 2022/11/27 長征2D(2) 西昌 PLA 地球観測 LEO
Yaogan 36-03B 2022-160C
Yaogan 36-03C 2022-160E
Shenzhou 15 神舟 2022-162A 2022/11/29 長征2F/G 酒泉 CMSEA 有人宇宙船 LEO
Xingyun Jiaotong VDES
Shiyan
行雲
交通
試験
2022-164A 2022/12/7 快舟11 酒泉 行雲衛星公司 技術試験 LEO
Gaofen 5-01A 高分 2022-165A 2022/12/8 長征2D(2) 太原   地球観測 SSO
Jilin 1 Pingtai-0
1 A-01
吉林
平台
2022-167* 2022/12/9 捷龍3 洋上 長光衛星技術 地球観測 LEO
Jilin 1 Gaofen 03D-44~50 7機 吉林
高分
2022-167*
Hede 2H 和徳 2022-167* 和徳宇航 AIS
Jinzijing 5 金紫荊 2022-167* 香港航天科技 技術試験
Jinzijing 6 2022-167*
Tianqi 7 天啓 2022-167* 北京国電高科 通信放送
Huoju 火炬 2022-167* 火箭派(太倉)航天科技 技術試験
Fengtai Shaonian 2 豊台
少年
2022-167C CAMSAT 通信放送
Shiyan 20A 試験 2022-169A 2022/12/12 長征4C  酒泉 CAST 技術試験 LEO
Shiyan 20B 2022-169B
Zhixing1B
他10機(不明)
智星 2022-F06 2022/12/14 朱雀2 酒泉 智星公司 技術試験 打上げ失敗
Yaogan 36-04A 遥感 2022-171A 2022/12/14 長征2D(2) 西昌 PLA 地球観測 LEO
Yaogan 36-04B 2022-171C
Yaogan 36-04C 2022-171E
Shiyan 21 試験 2022-172A 2022/12/16 長征 11 西昌 SAST 技術試験 LEO
Gaofen 11-04A 高分 2022-176A 2022/12/27 長征4B 太原   地球観測 SSO
Shiyan 10-02 試験 2022-178A 2022/12/28 長征3B 西昌 CAST 技術試験 GEO?
表3 ロケット種別による2022年末までの中国の打上げ回数と衛星数
<長征系列>
ロケット種別 長征2 長征3 長征4 長征5 長征6 長征7 長征8 長征11
打上げ回数 24 4 11 2 4 3 1 4
中国の衛星数 65 4 14 2 22 5 22 11
<長征系列以外>
ロケット種別 快舟 捷龍 中科 双曲線 穀神星 朱雀
打上げ機関 CASIC CASC CAS 星際栄耀 星河動力 藍箭航天
打上げ回数 5 1 1 1(★1) 2 1(★1) 64(★2)
中国の衛星数 8 14 6 1(★1) 8 11(★11) 193(★12)

 スペースX社は本期間にFalcon 9ロケットの17回の打上げで有人宇宙船1機、物資輸送機1機と超小型衛星7機、地球観測衛星SWOT、ユーテルサット静止衛星を3回で3機、インテルサット衛星を2回で4機、スターリンク衛星は5回で267機、英国のOneweb衛星40機、英国のO3b衛星2機、月探査機2機(1機は日本)、イスラエルのEROS衛星、ファルコンヘビーの1回の打上げで5機など計334機の衛星を打ち上げた。

宇宙ミッション1 地球観測分野

(1)中央政府関連の地球観測衛星

本期間に4シリーズで14機が打ち上げられた。

①「高分(Gaofen:GF)」2機

 12月8日に陸域と大気を統合的に観測する「高分5号01A」(GF5の2機目)を打ち上げ[2]、12月27日に光学観測衛星「高分11号04」(GF11の4機目)を打ち上げた[3]

②「遥感(Yaogan:YG)」10機

 人民解放軍(PLA)はELINT衛星とみられる「遥感36号」の2組目の衛星3機を10月14日に打ち上げた[4]。されに11月27日に「遥感36号」の3組目の衛星3機、12月14日に「遥感36号」の4組目の衛星3機を打ち上げた 。

また、11月15日には光学偵察衛星とみられる「遥感34号」の3機目を打ち上げた[5]

③「環境減災(Huanjing Jianzai:HJ)」1機

 10月13日、中国資源衛星応用センター(CRESDA)は長征4Bロケットにより民生用地球観測衛星「環境減災2E」を打ち上げた[6]。環境1Cと同様のレーダ衛星である。環境シリーズの衛星は6機目となる(2C及び2Dはまだ打ち上げられていない)。

④「雲海(Yunhai:YH)」1機

 11月11日、上海航天技術研究院(SAST)は大気・海洋・宇宙環境を観測する「雲海3 01」を打ち上げた[7]。「雲海」シリーズの打上げは10回目となる。

(2)民間企業(地方政府支援)の地球観測衛星

①「吉林(Jilin:JL)」13機

 11月16日、長光衛星技術公司は穀神星(Gushenxing)ロケット(CERES)により「吉林1 高分03D」の08号と51-54号の計5機の吉林衛星を打ち上げた[8]

 12月9日、同公司は捷龍(Jielong)3ロケットにより「吉林1 高分03D」の44-50号機と「吉林1 平台01A-01」の計8機を打ち上げた[9]。「平台」はプラットフォームを意味し、今回が初の打上げである。また、03D 44-46には眉山環天智慧科技有限公司が運用する「天府星座」の「東坡08-10」、03D 48-49には北京道達天際科技有限公司が運用する「道達星座」の「天羅星・天芯星」の別名がある。両社は03D 47及び50を運用する長光衛星技術公司とともに小型軽量高分解能カメラの開発を行った[10]

 吉林衛星は2030年までに137機を打ち上げる計画であるが、種類が多岐にわたるため、文末の参考資料に衛星の仕様や運用状況などを示した。

宇宙ミッション2 通信放送分野

(1)静止通信放送衛星

 11月5日、中国衛通集団公司(China Satcom)は長征3B/G(2)ロケットによりKaバンドでハイスループット通信を行う「中星(Zhongxing)19号」を打ち上げた[11]

(2)AIS(船舶自動識別)衛星

 和徳宇航公司(Head)は12月9日、捷龍3型ロケットによりAIS衛星「和徳(Hede)2H」(別名:交通5号)を打ち上げた。和徳衛星の打上げ数は9機となった。

(3)IoT(モノのインターネット)衛星

 北京国電高科科技公司(Guodian Gaoke)は12月9日、捷龍3型ロケットによりIoT通信衛星「天啓(Tianqi)7」を打ち上げた。天啓衛星の打上げ数は16機となった。

(4)アマチュア無線衛星 2機

 11月12日打上げの物資補給船「天舟5号」に搭載されていた中国アマチュア無線協会(CAMSAT)のアマチュア無線通信衛星「希望(Xiwang)4号」(別名:マカオ学生科学1号)は、12月に軌道投入された[12]

 12月9日に吉林衛星とともに捷龍3ロケットにより打ち上げられた「豊台少年2」(別名:CAS 5A号)もCAMSATのアマチュア無線通信衛星である。

宇宙ミッション3 航行測位分野

 中国の航行測位衛星システムは、2020年から引き続き49機の北斗2号・3号衛星群で運用を継続している。

 2023年には静止軌道の航行測位衛星や中高度軌道の周回型航行測位衛星の打上げなどが行われる可能性がある。

宇宙ミッション4 有人宇宙活動分野

 10月31日、中国載人航天工程弁公室(CMSEO)は中国宇宙ステーション(CSS)「天宮(Tiangong)」の2番目の宇宙実験モジュール「夢天(Mengtian)」を長征5Bロケットにより文昌射場から打ち上げた[13]。これによりT字型の3モジュール構成が完成した。

 11月12日、CSSへの物資輸送船「天舟5号」を打ち上げた[14]。それに先立って、「天舟4号」は11月9日にCSSから分離され、11月14日に智星公司が開発した「智星(Zhixing)3B」を放出して軌道投入に成功した後、11月15日に大気圏に再突入して消失した[15]

「神舟15号」の打上げは11月29日に行われた[16]。搭乗員は男性だけで、費俊龍(Fei Junlong、2回目)、鄧清明(Deng Qingming、初)、張陸(Zhang Lu、初)の3名である[17]

「神舟14号」は12月4日に帰還した[18]。2チームの宇宙飛行士がCSSに同時に搭乗したのは初めてで、宇宙飛行士6名の期間は5日間であった。

 中国の宇宙飛行士の累積宇宙滞在日数は世界第4位で、12月末現在1,632日となった。前回の9月末より291日増えた。同3位の日本も若田光一宇宙飛行士が搭乗する米国の「クルードラゴン5号」が10月6日に打ち上げられ、1,768日となった。136日の差となったため、2023年の69日目(すなわち3月10日)に中国が日本を抜いて、ロシアと米国に次ぎ世界第3位となる見込み。

宇宙ミッション5 宇宙科学分野

 10月8日、中国科学院(CAS)は太陽観測衛星「夸父(Kuafu)」(別名Advanced Space-based Observatory-Solar:ASO-S)の打上げに成功した[19]。先端型宇宙天文台シリーズの1機目である。主要な搭載センサは3つあり、太陽磁場を観測する全太陽ベクトル磁気撮像装置(FMG)、太陽フレアを観測する硬X線撮像装置(HXI)、コロナ質量放出を観測するライマン・アルファ太陽望遠鏡(LST)である。

宇宙ミッション6 新技術実証分野

(1)中央政府関連の技術試験衛星

①試験(Shiyan:SY)」衛星5機

 10月29日、中国空間技術研究院(CAST)は長征2Dロケットにより「試験20C」をSSO軌道に投入することに成功した[20]。12月12日には「試験20A」、「試験20B」を打ち上げた[21]。これら3機の衛星は高度約800km、軌道傾斜角60°で編隊飛行を行っている。

 12月16日、SASTは長征11ロケットにより西昌射場から「試験21」を打ち上げた[22]。高度約500km、軌道傾斜角36°の所定の軌道への投入に成功した。

 12月29日、SASTは「試験10-02」を遠地点高度40,000km、近地点高度190km、軌道傾斜角51°の長楕円軌道に向けて打ち上げた[23]。2021年打上げの「試験10」も同様の軌道を予定していたが、打上げ時の何らかの不具合により軌道傾斜角が63°となり、電力系統やバッテリーなどのトラブルに苦しんでいるとのことである[24]

(2)民間企業の技術試験衛星 7機

①「向日葵(Xiangrikui)」2機

 10月7日、微厘空間公司(Centispace)は長征11Hロケットにより「向日葵」衛星2機(5号及び6号、別名CentiSpace-1 S5, S6)の打上げに成功した[25]。同シリーズの衛星数は5機となった。

②「金紫荊」2機

 12月9日、香港航天科技公司(Hong Kong Aerospace Technology Group)は捷龍3ロケットにより「金紫荊(Jinzijing)5号」、「同6号」の2機の衛星を打ち上げた。

③「火炬(Huoju)一号」

 12月9日、火箭派(太倉)航天科技有限公司は捷龍3ロケットにより生命科学関連の微小重力実験を行う技術試験衛星「火炬(Huoju)1号」を打ち上げた[26]。「火炬」は松明(たいまつ)を意味する。

④ 行雲衛星公司

 12月7日、快舟11ロケットにより技術試験衛星「行雲交通VDES試験(Xingyun Jiaotong VDES Shiyan)」を打ち上げた。

⑤ 智星公司

 5月に「天舟4号」に搭載されて打ち上げられた智星公司の技術試験衛星「智星3A」は、11月14日に「天舟4号」から放出された。

宇宙ミッション7 宇宙輸送分野

① 11月4日、長征5B型ロケットの機体は無制御で大気圏に再突入し、消失した[27]。このため、欧州では空域を閉鎖するなど緊急事態に備えた措置を行った[28]

② 快舟11型は2回目の打上げで初成功した。

③ 12月16日、中国の民間ロケット企業の1つである藍箭航天空間科技公司(Land Space社)は朱雀2型ロケットにより「智星1B」など11機の小型衛星を搭載して打上げを実施したが、ロケット上段の不具合によりすべての衛星の軌道投入に失敗した[29]。同社は2回連続で打上げに失敗した。

参考資料: 地球観測衛星「吉林1号」の運用状況

 中国の累積衛星数は12月末までに886機に達したが、その中で多数の衛星を打ち上げているのは「遥感」・「吉林」・「高分」の3つの地球観測衛星群と「北斗」航行測位衛星で、その合計は全体の約4分の1を占めている。そのうち、最近急速に打上げ数を増加させている「吉林」について、5月1日時点として発表された「憂慮する科学者同盟」(Union of Concerned Scientists:UCS)の衛星データベース[30]と5月~12月末までの打上げデータに基づき集計し、運用状況をまとめた。

 吉林衛星は当初は中解像度の光学センサを搭載していたが、現在では高分解能のハイパースペクトル衛星(吉林高分)が標準になっている。この他ビデオ撮像(吉林視頻)、スペクトル取得(吉林光譜)、赤外線観測「吉林紅外」、広角観測(吉林寛幅)など、機種ごとにそれぞれの特徴を有する搭載センサを使い分けている。なお、これまでに打ち上げられた吉林衛星は、すべて「吉林1号」のグループであり、「吉林2号」が出現すれ衛星の世代交代が開始されたものと考えられる。

 これまでに84機が打ち上げられ、82機が運用中。この他に打上げ失敗の衛星が3機ある。

衛星種類 搭載機器 質量kg 軌道高度km 軌道傾斜角 打上げ数
吉林光学 光学カメラ 420 640 × 663 98.04° 1
吉林高分 高分解能カメラ 42 524 × 546 97.7° 61
吉林光譜 スペクトルカメラ 不明 521 × 538 97.5° 2
吉林視頻 ビデオカメラ 95~208 530 × 540 97.3° 8
吉林寛幅 広視野カメラ 1,250 477 × 492 97.34° 3
吉林紅外 赤外線カメラ 42 531 × 551 97.5° 6
吉林魔方02A 光学カメラ 30 不明 不明 1
吉林平台 不明 不明 不明 不明 1
吉林技術検証 試験用カメラ 57 638 × 662 98.04° 1

 吉林衛星の打上げには各種のロケットが用いられている。2020年以降の打上分について、下表にロケット種別ごとの打上げ実績を示す。

打上げロケット 打上げ時期と衛星数 射場
 

長征2D

2020年1月、4機打上げ中1機が吉林寛幅。 太原
2021年7月、5機打上げ中4機が吉林衛星(寛幅1+高分3) 太原
2022年5月、吉林高分衛星8機打上げ。 太原
長征6 2022年8月、吉林紅外6機+高分10機 太原
長征8遥2 2022年2月、12機打上げ中10機が吉林衛星(魔方1+高分9) 文昌
長征11H 2020年9月、吉林高分衛星9機打上げ。 黄海洋上
2022年4月、吉林高分衛星5機打上げ。 黄海洋上
快舟1A 2020年9月、吉林高分1機 他1機の打上げに失敗。 酒泉
2021年10月、吉林衛星1機打上げ。 酒泉
穀神星 2022年11月、吉林衛星5機打上げ。 酒泉
捷龍3 2022年12月、14機打上げ中8機が吉林衛星(平台1+高分7) 黄海洋上
快舟11 2020年7月、吉林高分1機 他1機の打上げに失敗。 酒泉
双曲線1 2022年5月、吉林魔方1A(R)の打上げに失敗 酒泉

以上


1.2022年12月31日、宇宙切手の展示室、2022年の中国の衛星打上げ状況

2.12月9日、CASC、长二丁火箭成功发射高光谱综合观测卫星

3.12月27日、CASC、长四乙战极寒!成功发射高分十一号04星

4.10月15日、騰訊新聞、中国成功发射遥感三十六号卫星

5.11月15日、CASC、长征四号丙运载火箭成功发射遥感三十四号03星

6.10月17日、捜狐網、环境减灾二号E星成功发射 我国再添生态环境立体监测的新利器!

7.11月12日、CASC、长征六号改火箭成功发射云海三号卫星

8.11月16日、環球網、四连胜!谷神星一号火箭成功发射5颗高分03D卫星,助力吉林一号星座组网!

9.2月10日、CASC、首飞告捷!捷龙三号一箭14星发射成功

10. 12月13日、百度、"吉林一号"8颗卫星今日出征

11.11月5日、CASC、长征三号乙运载火箭成功发射中星19号卫星

12.11月1日、網易、"天舟5号"貨運飛船将携帯一顆"希望4号"衛星在11月12日発射

13.11月1日、新華網、飞天圆梦丨梦圆航天,正当其时----中国空间站梦天实验舱发射升空侧记

14.11月16日、CASC、航天科技集团长征七号运载火箭成功执行天舟五号货运飞船发射任务侧记

15.12月1日、智星公司、"智星三号A星"由天舟四号成功释放 已完成在轨测试转入常态运行

16.11月30日、新華網、神舟十五号载人飞船发射取得圆满成功 空间站关键技术验证和建造阶段12次发射任务全部完成

17.11月28日、科学網、登场!神舟十五号载人飞行任务航天员集体亮相

18.12月4日、新華網、神舟十四号载人飞船返回舱成功着陆 神舟十四号载人飞行任务取得圆满成功

19.百度百科、夸父一号、

20.11月2日、中国航天報、航天科技集团长征二号丁运载火箭试验队发射试验二十号C卫星侧记

21.12月12日、CASC、一箭双星!长四丙成功发射试验二十号A/B卫星

22.12月16日、CASC、今年第4发!长十一火箭成功发射试验二十一号卫星

23.12月29日、CASC、集团全年54次发射满堂红!长三乙成功发射试验十号02星

24.2022年12月30日、Gunter's Space Page、SY 10

25.10月8日、CASC、长征十一号一箭双星海上发射成功

26.12月9日、新京報、中国商业航天首颗空间生命科学试验卫星"火炬一号"成功发射

27.11月8日確認、N2YO、CZ-5B R/B、

28.11月7日、Gadget Gate、

29.12月17日、百度、朱雀二号火箭发射失败,中国版SpaceX遭重挫,马斯克早就有言在先

30.2022年5月1日、UCS、Satellite Database

定点観測シリーズバックナンバー:

2022年10月20日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その21)

2022年07月20日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その20)

2022年04月28日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その19)

2022年01月29日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その18)

2021年10月25日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その17)

2021年07月12日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その16)

2021年04月22日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その15)

2021年01月19日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その14)

2020年10月15日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その13)

2020年07月13日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その12)

2020年04月28日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その11)

2020年01月21日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その10)

2019年10月16日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その9)

2019年07月17日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その8)

2019年04月15日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その7)

2019年01月10日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その6)

2018年10月18日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その5)

2018年04月13日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その4)

2017年10月26日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その3)

2017年04月21日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その2)

2016年10月12日 「 定点観測シリーズ 中国の宇宙開発動向(その1)