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【21-016】《十四五・全人代》国家発展改革委員会の報告―科学技術に関する記述

JST北京事務所 2021年03月09日

「2020年国民経済・社会発展計画執行状況と2021年国民経済社会発展計画草案報告」

 3月5日、国家発展改革委員会から「2020年国民経済・社会発展計画執行状況と2021年国民経済社会発展計画草案報告」が全人代に提出され、審議されている。

 この報告の中での科学技術関係の記述は次のとおりである。

1.2020年の成果

 イノベーションを原動力とする発展を目指す取組みを深掘りして推進し、科学技術のレベルを一歩進めた。イノベーションは中国の現代化建設全体の中での核心となるものであり、途切れることなく増強。試験研究経費のGDP比は2.4%に達し、科学技術の発展への貢献(※報告者注 全要素生産性(TFP))は60%以上となった。

(1)イノベーション能力をさらに一歩強化

 重大な科学技術の成果が持続的に生み出されている。

  ・「嫦娥5号」が中国発の地球外天体からのサンプルを持ち帰るミッションに成功。

  ・中国初の火星探査をミッションとする「天問1号」探査機の発射に成功。

  ・500m口径の球面電波望遠鏡(FAST)が正式に開放運用。

  ・「北斗3号」グローバル衛星ナビゲーションシステムが正式に開通。

(2)核心キーテクノロジー攻略の深掘りした推進

  ・プロジェクトの自薦による公募制度が核心キーテクノロジー攻略戦において効果。

  ・企業のイノベーションの主体としての位置づけを強化。研究機関や上下流企業の連合をサポート。

(3)新産業・新業態の逆境からの成長

  ・国家戦略性新興産業群の発展プログラムの深掘りした実施。

  ・5G、データセンター、工業インターネット等新型インフラ施設の安定的な推進。

  ・伝統産業のデジタル化の持続的な推進。

(4)イノベーションのハイレベルの拠点("高地")建設を加速して推進

  ・北京、上海、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)における国際的な科学技術イノベーションの中心地作りの全体枠組みの初歩を形成。

(5)イノベーション創業創造の新エコシステムの持続的建設

  ・各地で試行した取組みの経験から第3次推奨の20項目の全国での実施を促進。

  ・2020年に全国で創業・イノベーション週間を実施。

  ・一日平均4.1万の起業、うち1.3万が企業。

2.2021年における主要任務

(1)科学技術における自立自強を加速、産業の基礎のハイレベル化、産業チェーンの現代化を推進

 科学技術における自立自強を加速、産業の基礎のハイレベル化、産業チェーンの現代化を推進。国家の戦略的科学技術におけるレベルアップ、基礎研究・応用研究、成果移転の強化を継続し、中国の産業の核心的な競争力を高める。

①科技イノベーション能力の大幅向上

  ・国家実験室の建設の加速と国家重点実験室の体系の再編。

  ・国家中長期科学・技術発展計画(2021~2035年)の制定。

  ・人工知能、量子科学、脳科学等の科学技術イノベーションの加速した推進。

  ・国家産業イノベーションセンター、技術イノベーションセンター、製造業イノベーションセンター、エンジニアリング研究センター、企業技術センターの配置の改善。

  ・「大衆による創業、万民によるイノベーション」の持続推進、全国創業・イノベーション週間、創業・イノベーションをテーマとする日の実施。

②実体経済の振興と発展への注力

  ・新世代製造業核心競争力レベルアップ五カ年行動計画の実施。

  ・国家戦略性新興産業グループ発展プログラムの持続的推進。

  ・新時代の集積回路産業とソフトウェア産業の質の高い発展のための政策。

  ・新エネルギー自動車の健全で秩序ある発展。

  ・新エネルギー産業の加速した大規模な発展。

  ・大規模なバイオ経済の育成。

③デジタル化発展のより力強い推進

  ・デジタル産業化と産業デジタル化の推進、国際競争力を有するデジタル産業グループの育成。

④産業チェーン、サプライチェーンの自主コントロール能力の増強

  ・産業の短所を補整し、長所を伸ばすことを統一的・計画的に実施。

  ・産業基礎の再建設の実施、キーとなる基礎材料、基礎部品、先進基礎技術、産業技術インフラ、工業基礎ソフトウェア等自主イノベーション能力の向上。

(2)教育事業の発展の加速

  ・就学前教育資源の拡大。

  ・義務教育の地域の差のないバランスのある質の高い発展。高校教育のレベルアップ。

  ・大学教育における世界の一流大学・学科を目指す"双一流"と応用型学部教育の発展を分類して推進。

  ・教師のレベル向上。

  ・域外からの労働者の子女の義務教育における平等の保障。

  ・産業と教育の融合のための改革の深掘りした推進。

  ・就業者の訓練、継続教育の多様化した発展。

(3)環境・低炭素対策発展の加速した推進、生態系にやさしい文明建設の強化

 環境・低炭素対策発展の加速した推進、生態系にやさしい文明建設の強化。生態系にやさしい文明の領域における全体的・計画的な協調的メカニズムの確立。目標とタスクに注意を払い、努力を継続、生態環境の質のさらなる改善、経済社会発展を全面的に環境にやさしいものとする転換を促進。

①脱炭素対策の堅実な実施

  ・脱炭素対策の検討と発表。

  ・エネルギー消費の量と質の面における管理の改善。第14次五カ年計画期間の省エネ・排出抑制の総合的な行動計画の実施。

②汚染予防管理対策の深掘りした実施

  ・青空ときれいな水、国土を守るための戦いに堅実な成果を挙げる。PM2.5やオゾン等多数の汚染物質の協調的な抑制。

  ・"正確、科学的、ルールに基づいた汚染防止管理対策"の要請を踏まえた実施。排出許可制を核心とする固定汚染源監視監督制度の整備の推進。

  ・プラスチック汚染の全チェーンにおける管理対策の深掘りした実施。

③環境にやさしい生産・生活方式の加速した推進

  ・国家生態文明試験区建設の深掘りした推進。

  ・廃棄物再利用システムの加速した構築。

  ・環境にやさしい建築の推進。

(4)"海外からの感染を防ぎ、国内での再流行を防ぐ"ことを堅実に実施し、常態化した感染対策を科学的に有効に実施

①常態化した感染対策を持続し、よりよいものとする

  ・"海外からの感染を防ぐ"ことを最重点とする。

  ・冷凍食品のコールドチェーン等における輸入食品の予防的な前面消毒。

  ・ウイルスの検査能力整備の強化。

  ・ワクチンの研究開発生産、接種・使用、安全性・有効性の確保。

②国家公共衛生緊急管理体系の改善の加速

  ・公共衛生応急物資保障体系実施計画の確定。

  ・突発公共衛生事件対応予備計画体系の改善。

③感染症予防管理対策の国際連携の積極推進

  ・感染症対応能力の弱い国家・地区に対して支援を提供。感染症対策物資の世界最大の供給国としての機能を発揮。

※この項目に関する2020年の実績として、34国家に36の医療専門家の支援グループを派遣。150の国家と13の国際組織に支援を提供。200以上の国家に対して2,200億枚以上のマスク、23億着の防護服、10億人分の検査キットを提供。

関連リンク

关于2020年国民经济和社会发展计划执行情况与2021年国民经济和社会发展计划草案的报告(摘要)

关于2020年国民经济和社会发展计划执行情况与2021年国民经济和社会发展计划草案的报告