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【20-032】中国・全人代における政府活動報告について

JST北京事務所 2020年6月01日

 5月22日開会した中国の全国人民代表大会における政府活動報告等の内容を科学技術関係、経済対策、感染症対策の3つの観点について、それぞれの2019年の成果、課題、2020年の取組みに分けて整理してみた。そのポイントを以下のとおりまとめる。

  ○: 総理による政府活動報告から

  ●: 国家発展・改革委員会による国民経済・社会発展計画に関する報告から

  ◇: 財政部(日本の省に相当)による中央・地方の予算に関する報告から

  ◆: 各項目の詳細や列記事項

1.科学技術関係

(1)2019年の成果

 ○"大衆による起業とイノベーション"政策の推進により企業の一日当たり純増件数[1]が1万社超。

 ○"科創板"(※中国版ナスダックと称される新株式市場)の創設

 ●全国の研究開発費の対GDP比:2.19%

 ●経済成長に対する科学技術進歩の寄与率:59.5%

 ●成果の具体例

  ・月探査機「嫦娥4号」が月の裏側への着陸に成功

  ・北斗3号グローバルシステムの中核ネットワークの構築

  ・第5世代移動通信(5G)の商用化

  ・長征5号遥三推進ロケットの打上げ成功

  ・国産初の空母「山東」就役

  ・「科学技術イノベーション 2030 ―重要プロジェクト」及び国家科学技術重要特別プロジェクトの実施

  ・高エネルギー同期放射光施設等一連の国家重要科学技術インフラ建設に着工

  ・169の改革措置の試行

  ・北京および上海科学技術イノベーションセンターの建設の進展

  ・粤港澳(広東・香港・マカオ)大湾区(グレートベイエリア)の国際科学技術イノベーションセンターの建設の開始、総合的国家科学センターの建設計画の促進

  ・北京懐柔[2]、上海張江、安徽合肥等の総合的国家科学センターの整備

 ●新しい原動力の整備

  ・国家デジタル経済革新発展試験区の整備

  ・重要情報化プロジェクト、重要行政情報化プロジェクト

  ・戦略的新興産業クラスター発展プロジェクトの実施

 ●イノベーション・起業・創造の活力の持続的増強

  ・科学研究プロジェクト経費使用の「自主決定制」と「グリーン通路(手続きの簡便・迅速化)」改革の試行的実施

  ・「2019年全国双創(大衆による起業・イノベーション)活動ウィーク」の開催

  ・2019年末の時点で、全国のハイテク企業は 22万5,000社超(約24%増)、科学技術型中小企業15万1,000社超(約15%増)

  ・中国の世界イノベーション指数ランキングが14位に上昇

 ●その他の指標

  ・1万人当たり特許権所有数件数:13.3件

  ・モバイルブロードバンド普及率:96%

  ・固定ブロードバンド世帯普及率:91%

 ◇2019年の科学技術関係予算の執行状況:3,516億1,800万元(予算の99.2%)

(2)課題

 ●科学技術イノベーション能力の脆弱部分がなお際立っている。

  ・研究開発(R&D)費の対GDP比が革新型国家建設の要請につり合っていない。

  ・科学技術体制改革を推進するうえでの深層部の障害がいまだ取り除かれていない。

  ・基盤技術・コア技術の他国頼みの状況にいまなお根本的な変化が見られない。

(3)2020年の取組み

 ○製造業の高度化と新興産業の発展(インダストリアル・インターネットによるインテリジェント製造の推進、「インターネット+」の推進によるデジタル経済における新たな優位性の構築)

 ○基礎研究と応用研究の安定的サポート、企業による研究開発へのさらなる投資

 ○国家実験室の建設加速、国家重点実験室の体系再編、民間研究開発機関の発展促進
(※国家実験室は、米国のNational Laboratory又はそれ以上のものを目指している。国家重点実験室は、産学官の研究室で優れたものが指定を受ける。地方政府や科学院の指定を受ける省級、市級、科学院重点実験室もある。)

 ○科学技術面の国際協力の深化

 ○知的財産権の保護の強化

 ○重点プロジェクトにおいて技術のブレークスルーのリーダー候補の公募を実施。

 ○"大衆による起業・イノベーション"の一層の推進(ベンチャー投資の発展による担保付きの起業支援融資の増加、起業・イノベーションモデル拠点の整備、「包摂・慎重」を旨とする監督管理の堅持、プラットフォームエコノミーやシェアリングエコノミーの成長)

 ●新しい原動力の育成

  ・新しいタイプのスマートシティーの建設促進

  ・5Gの高度な応用

  ・バイオ経済の発展、バイオ集積発展拠点の整備

  ・インテリジェント製造、無人宅配、オンライン消費、医療・ヘルスケア、ロボット等の新興産業の発展の加速

  ・宇宙飛行の商業化の支援、通信やナビゲーション、リモートセンシング等の衛星の応用

  ・国家の水素エネルギー産業発展戦略計画の策定

  ・新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵産業、インテリジェントカーの開発促進

  ・深海・遠海での養殖設備のイノベーションによる新しい海洋牧場の建設

  ・デジタル経済の発展支援

 ●農村の技術イノベーション、科学技術による食糧安全保障

 ●イノベーション駆動型発展戦略によるイノベーション型国家建設

 ◆基盤・コア技術への取組み

  ・全産業の国産化応用に向けた基礎的支えとなるプラットフォームの構築を支援

  ・基礎研究・独自のイノベーションを奨励・支援する体制・仕組みの充実

  ・市場化の新型研究開発機関を発展

  ・企業等の民間の力による投資の増加を奨励

  ・企業の技術革新能力の向上の加速

  ・国有企業の技術革新の状況を評価する仕組みを検討

  ・国産初の重要プラント設置の推進

  ・緊急に必要な新素材の研究開発・生産

  ・重要な汎用・コア技術のプラットフォームの整備

  ・イノベーション製品の政府調達政策の充実

  ・国家技術安全管理リスト制度の整備

 ◆イノベーション能力の強化

  ・新たな国家中長期科学技術発展計画と国家重要科学技術インフラ整備計画の策定

  ・基礎研究、独創的なイノベーション、破壊的イノベーションを強化

  ・学際的、大規模提携、強度の高い協同イノベーションの基礎的プラットフォームの構築

  ・科学技術イノベーションセンターおよび総合的国家科学センターの整備を促進し、重要科学技術インフラ、科学教育インフラ、国家産業イノベーションセンター、プロジェクト研究センター、技術革新センター、製造業イノベーションセンター、サプライチェーン科学イノベーションセンターを科学的に配置・整備

  ・重要特別プロジェクトの成果の産業化を支援する関連政策を制定

  ・イノベーションに取り組む人材、特に基礎研究に取り組む人材の育成

  ・国家自主イノベーションモデル区とハイテク産業開発区のイノベーションの水準向上

 ◆イノベーション・起業・創造の質の高い発展の推進

  ・新たな改革の試行

  ・企業を主体とし、市場に誘導される産・学・研(企業・大学・科学研究機関)が深く結びついたイノベーション体系の確立、様々な規模の企業と各種の主体との連携によるイノベーションのサポート

  ・一群の双創("大衆による起業・イノベーション")モデル拠点の新たな整備、双創のサポート・プラットフォームのプロジェクトを多数実施。同モデル拠点の大学発ベンチャーキャンペーンを実施。

  ・ベンチャー投資分野の体制・仕組みの改革の推進

  ・インキュベーター、「メイカーズスペース」等のイノベーション・起業サービス機関への政策面からの支援の強化の検討。

  ・感染症の影響を受けた企業に対する支援を強化し、起業目的の保証付貸付の対象枠を拡大し、良質なプロジェクトに対して再保証の要求を免除。

  ・重点グループの起業の場に対する支援の強化

 ◇基礎研究と独自のイノベーションへの支援を奨励する体制・仕組みの整備

 ◇基盤技術・コア技術分野のイノベーション能力の向上

 ◇国家実験室の整備、国家重点実験室体系の再編の支援

 ◇研究者に職務発明の所有権又は長期使用権を付与する試行的な取組みの推進

 ◇中央政府の科学技術関係支出:3,196億5,100万元(前年度の支出実績額との比較で9.1%減)(地方政府の支出を加算すると、全国で3.1%増)

 なお、李克強総理は、5月23日には、政治協商会議の科学技術協会や科学技術界の委員の会議に出席し、委員からの提案を聞いた。総理は、感染症のコントロールや経済や社会の発展への科学技術関係者の貢献を評価するとともに、今後も検査技術、薬品、ワクチンの開発等を進めることの必要性を語った。また、基礎研究のレベルを高め、"大衆による創業とイノベーション"の推進、企業の研究開発の強化、研究開発の成果をできるだけ早く生産面に活用し、新しい発展の原動力を増強させることの重要性を強調した。さらに、科学技術においても"放管服"の改革(参入しやすくし、新しい管理で公平な競争を促進し、サービスを効率的にする。)を深化させ、科学技術者が活躍しやすくするため、負担を照らし、より多くの若い人材を活躍させなければならないと語った。(CCTV-1综合频道 李克强与科协、科技界别政协委员共商国是

2.経済対策

(1)2019年の成果

 ○GDP:99兆1,000億元 6.1%増

 ○都市部[3]の新規就業者数:1,352万人、調査失業率:5.3%以下

 ○消費者物価: 2.9%上昇

 ○国際収支が基本的に均衡

 ○社会消費財小売総額が40兆元を突破

 ○常住人口ベースの都市化率:初めて60%超

 ○「一帯一路」共同建設の進展

 ●138ヵ国・30の国際機関と200部の「一帯一路」共同建設に関する協力文書締結。

 ●フランス、イギリス、日本等14ヵ国と第三国市場協力の仕組みを構築。

 ●「一帯一路」グリーン発展国際連盟が正式に発足。「デジタル・シルクロード」、「シルクロードEコマース」建設協力を推進。

 ●「中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際貨物列車)」が欧州18ヵ国の57都市を目的地として累計2万本強を運行、総合積載率94%。

 ○外商投資法実施条例公布

 ○農村の貧困人口:1,109万人減少、貧困発生率 0.6%まで低下。

 ○住民1人当たり可処分所得:3万元以上。

(2)課題

 ●国内の感染症を効果的に抑制したものの、境外での感染が急速に蔓延し、世界経済が深刻な不況に陥り、不確定・不安定要素が顕著に増加し、わが国の経済運営が極めて大きな試練に直面していることをはっきりと認識。

 ●国際的な課題

  ・感染症がグローバル産業チェーン・サプライチェーンに大きな打撃を与えた上、国際金融市場が乱高下

  ・一国主義と保護貿易主義が台頭し、国際経済貿易ルールが試練に直面し、地政学的リスクが依然として高止まりする等、いずれもわが国の発展の外部リスクを増大させる可能性あり。

 ●国内的な課題

  ・輸入型感染の圧力が強まり、経済発展とくに産業チェーン・サプライチェーンの回復が新たな試練に直面。

  ・内需・外需の低下により経済循環の停滞

  ・一部の業種・企業が運営に多くの困難

  ・重点分野の改革は依然としてさらなる注力を必要(中小・零細企業の抱える「資金繰り難、資金調達コスト高」等)

  ・重点分野にリスクが集中(一部の中小金融機関が抱える債務者の債務不履行リスク、一部地方の末端の財政運営の困難等)

  ・社会・民生分野が大きな試練に直面

(3)2020年の取組み

①政府活動報告における経済運営のポイント

 経済成長率について具体的な年間目標を提示していないことが報道されているが、これは、「新型コロナウイルス感染症と経済・貿易の情勢においては不確定性が非常に高く、わが国の発展がいくつかの予測困難な影響要因に直面している」ため。

 このことは、「六つの安定」と「六つの保障」に取り組むよう導くことにプラスとなるとしている。「六つの安定」は、雇用・金融・貿易・外資・投資・期待の安定。「六つの保障」は、雇用、基本的民生、市場主体、食糧・エネルギー安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、末端の行政運営の保障。「六つの保障」は今年の「六つの安定」の取り組みの重点である。「六つの保障」の最低ラインを守り抜くことで、経済の基盤をしっかりと安定させることができるとしている。

 感染症対策と経済・社会発展活動を統一的に進め、感染症対策の常態化を前提に「安定を保ちつつ前進を求める」という活動全体の基調を堅持する。また、貧困県をなくす目標も堅持する。

 このため、より積極的かつ効果的な財政政策と、より柔軟かつ適度な金融政策を展開する。

②目標

 ○感染症発生前に考慮した所期目標を適度に調整

 ◆今年は雇用の安定・民生の保障に優先的に取り組み、貧困脱却堅塁攻略戦に断固勝利し、小康社会の全面的完成の目標・任務の達成に努める。

 ◆都市部新規就業者数は900万人以上とし、都市部調査失業率は6%前後とし、都市部登録失業率は5.5%前後とする。

 ◆消費者物価の上昇率は3.5%前後とする。

 ◆輸出入の安定促進・質的向上をはかり、国際収支を基本的に均衡させる。

 ◆住民所得の伸び率を経済成長率とほぼ同じにする。

 ◆現行の基準で農村貧困人口に当たる人々をすべて貧困から脱却させ、貧困県をなくす。

 ◆重大な金融リスクを効果的に防止・抑制する。

 ◆GDP1単位当たりのエネルギー消費量と主要汚染物質の排出量を引き続き削減

 ◆第13次5ヵ年計画期の目標・任務の完遂

③マクロ政策による企業の安定化と雇用の保障

 ○今年の財政赤字の対GDP比は3.6%以上、財政赤字の規模は前年度比1兆元増、感染症対策特別国債を1兆元発行。これらの2兆元はすべて地方への移転支出として計上、市・県の末端部門に直接支出。企業と大衆に直接的利益をもたらす。

 ○一般的支出を断固として削減。大きな建物・ビル等の新築を厳禁。中央政府は率先して支出を切り詰め、中央レベルの支出をマイナスの伸び。不要不急の支出、非恒常的支出を50%以上縮減。

 ○預金準備率と金利の引き下げ、再貸付等の手段を総合的に活用。広義マネーサプライ (M2)・社会融資規模(企業や個人の資金調達総額)の伸び率が前年度の水準を明らかに上回るよう促す。

 ○人民元為替レートの合理的な均水準での基本的安定を保つ。

 ○増値税(付加価値税)税率・企業養老保険料率の引下げ等を引き続き実施することで、新たに軽減する租税・料金の総額は約5,000億元となる見込み。

 ○中小企業・零細企業の養老・失業・労災保険の企業負担分の免除や小規模納税人(増値税上の納税者区分の一つで、年間売上高が規定の基準以下の者)の増値税減免、公共交通運輸、飲食・宿泊、観光・娯楽、文化・スポーツ等のサービスの増値税免除、民用航空発展基金・港湾整備費の減免をはじめとする、これまでにうち出され6月に適用期限終了となる減税・料金引き下げ政策をすべて今年末まで延長。

 ○小企業・零細企業と自営業者の所得税の納付を一律に来年まで猶予。

 ○以上により、企業の年間の負担軽減額が2兆5,000億元以上となる見込み。

 ○工業・商業用電気料金を5%引き下げる政策の適用期限を今年末まで延長。

 ○ブロードバンド・専用回線の使用料を平均15%引き下げ。

 ○国有不動産の賃料を減免し、各種賃貸事業者による貨料の減免や猶予を奨励。

 ○中小企業・零細企業の融資の元利払い猶予政策を来年3月末まで延長。

 ○小企業・零細企業向けの包摂融資の返済について猶予すべきものはすべて猶予。

 ○経営難に陥った企業の融資については猶予期間を協議。

 ○銀行が小企業・零細企業向けの信用貸付、初回融資、元金据え置きの再融資の増加を奨励。

 ○政府系融資保証の適用枠を大幅に拡大 等。

④対外開放を推進し、貿易・外資の基盤を安定

 ○外資を積極的に利用。外資参入のネガティブリストの項目を大幅に減らし、クロスボーダーサービス貿易ネガティブリストを公布。

 ○自由貿易試験区により大きな改革開放の自主権を付与。海南自由貿易港の建設を加速、中西部地区で自由貿易試験区、総合保税区を増設

 ○国内企業と外資企業が分け隔てなく平等に遇され公平に競争する市場環境を整える。

 ○質の高い「一帯一路」の共同建設 等。

 このほか、改革による市場主体の活力の引出しによる新しい原動力の増強(科学技術関係で例示したもの等)、内需拡大戦略(地方特別債の1兆6,000億元増、中央予算枠内の投資6,000億元。新型インフラの整備、新型都市化、地域発展戦略の加速化等)、貧困脱却、民生の保障等のための政策を推進。

3.感染症対策

(1)2019年の成果

 ○広範な関係各層(※政府活動工作報告では、地域コミュニティのスタッフ、配達員、清掃員、ボランティア、海外華僑同胞の貢献にも言及)感染症対策の人民戦争、総力戦、阻止戦を展開

 ○突発的公衆衛生事件第一級の緊急対応メカニズムを発動

 ○科学技術者が協力して難関攻略に取り組んだ。科学的な対策を展開

 ○厳格な管理・コントロール措置の実施

  ・迅速に4万余名の医療関係者を動員して湖北省、武漢市の支援に派遣

  ・病床数を急速に拡充し、医療用物資を優先的に確保

  ・診断・治療方法を不断に改善、中国医学と西洋医学の結合

  ・全国で春節休暇を延長、学校の始業延期、フレキシブルな業務再開、時差出勤

  ・「早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療」を堅持

  ・医療用物資の生産の迅速な拡大

  ・生活必需品の供給と価格の安定、交通幹線の円滑化、エネルギーの供給の保障

  ・感染状況の変化に応じた感染症対策の常態化

(2)課題

 ●公衆衛生と緊急対応体系の脆弱部分が顕在化

  ・疾病の予防・抑制・管理体系に不備

  ・新感染症へのモニタリング・早期警報および対応能力が不足

  ・県・鎮・村の公衆衛生インフラが相対的に手薄

  ・重要物資の国家備蓄体系が不十分

(3)2020年の取組み

 ○"生命至上"を堅持した公衆衛生体系の整備(感染症の直接報告・早期警報システムの充実、感染症対策特別国債の活用によるワクチン、治療薬、迅速検査技術への研究開発投資等)

 ●国内の感染症対策の成果の定着

  ・コミュニティにおける対策網の全面的な構築

  ・情報化・インテリジェント化による対策能力の強化

  ・回復患者と隔離観察中の人々への心のケア等

 ●海外からの輸入感染の防止措置の強化・十全化

  ・在外公民への配慮

  ・通関拠点となる都市の防衛線

  ・辺境地区の公衆衛生施設、検疫・検査測定能力の整備

  ・集中隔離観察対象者への安全サービス保障の強化

 ●国際協力の推進

  ・世界衛生機関(WHO)との交流・協力の深化

  ・関連諸国への援助、健康シルクロードの建設の推進

  ・多種多様な方式で感染症対策に関する国際協力に貢献

  ・科学研究のブレークスルーに関する国際協力の強化

  ・特効薬・ワクチンの研究開発

 ●感染症に対応した科学技術型中小企業への資本市場による資金調達支援の強化

 ●ブレークスルーを目指した取組み

  ・学際的研究による新型コロナウイルスによる肺炎の感染源や感染拡大、発症の仕組み等についての研究の強化

  ・関連医薬品・ワクチンの緊急時生産能力の整備

  ・バイオセーフティのインフラ整備、統一計画に基づいたバイオセーフティ技術の対策研究


1 一日当たりの新規設立企業数と翻訳されている場合があるが、原文の表現からすれば、一日あたり倒産件数を差し引いた純増件数と思われる。ただし、後述のハイテク産業の数字から考えれば広範な業種を含むと考えられる。

2 北京市北京懐柔区でサイエンスパークの整備が進められている。

3 原文では「城鎮」。非農業人口を主とし、一定規模の工業・商業を有する居住地を指す。