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【22-11】企業への充実したサービスで地域の発展をリード 南寧ハイテクパーク

劉 昊(科技日報記者)/欧陽鋼橋(科技日報通信員) 2022年06月02日

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(画像提供:視覚中国)

 フロントエンドに焦点を当て、企業のイノベーション主体としての地位を固める。中間で協同して、政産学研連携を強化する。バックエンドでテクノロジーの成果転化を促進する。南寧ハイテクパークはここ数年、イノベーション主導のスタイルを貫き、北京の「中関村」との戦略的協力を深化させ、イノベーションのエコロジカルを継続的に構築し、開放、協力のポテンシャルを深く発掘し、イノベーション・起業の新たな先進地を作り出している。

 最近、広西チワン族自治区の南寧ハイテクパークで、投資総額6億1600万元(1元は約19.4円)の6プロジェクトが同時に着工し、質の高い発展に新たな原動力を勢いよく注入した。

 南寧市、ひいては広西チワン族自治区で産業集積度が最も高く、関連施設が最も成熟した経済パークである南寧ハイテクパークの経済は、2021年も質の高い発展を維持した。同パーク経済発展局の秦長文局長はこのほど、取材に対して、「当パークの一定規模以上の工業(年売上高2000万元以上の工業)の生産高は前年比11.77%増の466億6000万元に達した。域内総生産総量は前年比14.1%増と2桁の急成長を保って305億5000万元に、固定資産投資は同19.6%増の207億3900万元に達した」と説明した。

 また、南寧ハイテクパークの財政は、2021年、世界情勢に逆行するかのように飛躍し、2桁成長を実現したほか、組織財政収入は累計で48億5700万元と、前年比5億6000万元増(13.19%増)だった。

 同パーク党活動委員会の李耕書記は、「当パークは2021年、イノベーション主導発展モデルエリア、対外開放発展リードエリア、質の高い発展先行エリアからなる『3エリア』の建設を加速させ、第14次五カ年計画(2021‐25年)の幸先の良いスタートを切った」と強調する。

 新型コロナウイルス感染の打撃や経済の減速、減税・費用削減といった要素の圧力が重なる中、南寧ハイテクパークはどのように広西チワン族自治区開発区の「先導者」としての優位性を十分に発揮し、経済の質の高い発展、財政収入の急成長を実現しているのだろうか。

支援策を積極的に講じて市場主体のポテンシャルを発掘

 2021年5月に開催された政府、金融、企業のマッチング会で、南寧ハイテクパークの企業20数社の代表は、「これほど良い融資優待政策があるので、私たち企業は発展できる自信がさらに強まった」と語った。

 同イベントでは、広西チワン族自治区の条件を満たす企業対象の利子補給優待策「桂恵貸」といった融資に関する問題をめぐり、企業の代表が南寧ハイテクパーク経済発展局や投資促進局、起業者センター、銀行といった金融機関の代表と踏み込んだ交流を行った。

 南寧ハイテクパーク財政局の関係責任者は、「イベントは政府が架け橋となり、金融機関、企業が協議する形式で行われた。金融機関と企業は資金の需要について積極的に協議し、企業が直面する融資をめぐる難題解決に力が注がれた」と説明する。

 市場主体は経済の力のキャリアで、市場主体保護は社会の生産力保護を意味する。南寧ハイテクパークは2021年、「桂恵貸」政策を積極的に実施して、企業の負担を軽減し、実体経済の発展をサポートした。「桂恵貸」が適用されたのは累計1057件で、企業984社が益を受け、企業の融資コストが1億3200万元削減された。

 水を与えて魚を育てるように支援策を講じる「放水養魚」を積極的に実施して、市場主体に活力を注入するというのが、南寧ハイテクパークが財政収入の急成長を実現する基礎となっているのだ。

 同パークは2021年、重点企業や重点業界にサービスを提供したり、政策が活用できるようサポートしたり、企業の発展奨励といった各種サポート資金を速やかに支給したり、「桂恵貸」政策を実施したりして企業の負担を軽減するといった一連の対策を講じて、経済発展のポテンシャルを継続的に発掘し、「放水養魚」の効果が少しずつ顕在化し、政府の税徴収の客観的基礎拡大や税収増加が推進された。

 同パーク財政局の責任者・黄遠忠氏は、「当パークは、財政収入目標を達成するために、税源育成を継続的に強化し、税収増加につなげ、それを保持し、資金の器を拡大させている。当パークは2021年、各種減税・費用削減政策を積極的に実施し、財税連動を強化し、企業72社を250回以上訪問して、企業が実際に直面している問題を確実に解決してきた。また、税収を増加させるために優待策を実施して投資誘致をする対策を継続的に強化し、税源を育成し、政府の税徴収の客観的基礎を固めてきた」と説明する。

 企業の需要を速やかに満たすべく、同パークはさらに、企業が負担を軽減できるよう支援する各種政策を実施し、企業の発展奨励や設備補助、工場の建物の内装工事などをめぐる各種サポート資金を速やかに支給し、企業の資金不足を解決してきた。2021年、企業サポート資金の支給件数は1446件で、前年比78.36%増となる計18億5200万元が支給された。

 財政収入は数だけでなく、質も大切だ。2021年、南寧ハイテクパークの年間財政収入総量は南寧市で上位に立っていた。

改革を深化させ企業負担ない気軽な進出をサポート

 とある企業の南寧ハイテクパーク支社の責任者・王さんは、「電話をかけるだけで、同パークの行政審査局の職員が会社まで来てくれ、衛生許可証の申請書類の作成をサポートしてくれた。しかも、30分でそれが終わるとは思わなかった」という。

 2021年10月、王さんは体が不自由でサービスホールに行って衛生許可証の申請書を提出することができないため、「審査当局に会社まで来てもらうことはできないか」と電話で相談したという。

 南寧ハイテクパーク行政審査局社会事業科の零莉莉科長は、「その企業の状況を知った後、すぐに出張サービスを手配して、衛生許可証の申請に必要な書類を準備できるようサポートした」と振り返る。

 このように南寧ハイテクパークが困難に直面している企業に出張サービスを提供するのは、レアケースではない。企業に誠意を込めてサービスを提供し、できる限り職責を全うし、発展を促進するという、行き届いたサービスを提供する南寧ハイテクパークに、多くの企業から称賛の声が上がっている。

 同パークは近年、「放管服改革」(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)を深化させ、よりスピーディーに政府サービスを提供し、パークのビジネス環境の重点指標が向上し続けている。

 同パーク行政審査局の伍慧芸副局長は、「企業や人々の期待にスポットを当て、企業のニーズを出発点に、人々に満足してもらうことを足掛かりにして、当パークは企業や人々に益をもたらす一連の政務サービス改革措置を打ち出し、各種市場主体がより伸び伸びと、円滑に発展して、満足できるよう取り組んでいる。そして、スタッフが骨折ることで、企業や人々の『幸福指数』、『満足指数』がアップするよう取り組んでいる。2021年7月、当局はデジタル広西建設・政務サービス業務突出貢献賞を受賞した」と説明する。

 プロジェクト審査にかかる時間もより短くなっている。2021年、同パークの社会系投資プロジェクトの4段階の審査にかかる時間は20営業日に、政府投資系プロジェクトの4段階の審査にかかる時間は30営業日にまで短縮された。社会投資低リスク産業系プロジェクトの施工許可段階の消防設計審査は、同時進行が可能で、所用時間はわずか2日だ。

 企業のコスト削減、負担軽減はより大きな効果が出ている。同パークは、南寧中関村テクノロジーパークで、地質災害、省エネ審査、表土保持、耐震性、環境評価といったエリア評価を展開し、さらに、その評価結果をエリア内の建設プロジェクトが共有できるようにして、企業がコスト削減、負担軽減できるようサポートしている。

 プロジェクトサービスがより充実し、最適化されている。2021年、同パークの党活動委員会と管理委員会のメンバーがチームを引き連れて重点企業にピンポイントのサービスを提供し、企業の業務を異なるレベルで、網羅的にサポートする構造を構築し、400数件の企業の審査をめぐる案件が解決するよう調整し、100件以上の電力使用制限などを含む生産をめぐる問題を解決し、775社に政策補助金やサポート資金計10億8100万元を受給できるようサポートした。

 ビジネス環境が継続的に最適化され、企業が強大になるよう推進され、財政という「パイ」がより大きくなるための力強い下支えが提供されている。

イノベーション主導で発展の新たな原動力を全面的に強化

 南寧ハイテクパークに入居している南寧市浄雪皇生物工程有限公司(以下「浄雪皇」)が筆頭となって制定された「広西金辺ヒル生体を一度限りの医療機器とする質基準」が認可され、正式に市場に投入された。

 浄雪皇の宋延坤・会長は、「天然ヒルジン薬品開発業界のリーディングカンパニーとしての当社は、現代科学の規範システムを応用して、ヒル生体療法の質基準を体系的に制定し、業界の規範が秩序良く発展するようリードしている」と話す。

 企業のイノベーション活力が発揮されるにつれ、パークの税収も増加している。生命・健康産業から、次世代電子情報産業、スマート製造産業などに至るまで、南寧ハイテクパークは近年、投資誘致や企業育成を継続的に強化するほか、企業のテクノロジーイノベーションやテクノロジートランスフォーメーション、テクノロジー成果の実用化、ハイレベル人材・企業上場のサポートも強化し、3大主導産業がパーク内に集まり発展するよう加速し、優秀な企業の株式所有権投資行為や関連の税収増加を促進している。

 中国科技部(省)火炬センターが公表している広西チワン族自治区2021年第一陣認定報告ハイテク企業リストに列挙されている企業は計557社ある。うち、南寧ハイテクパーク内の企業が81社あり、前年同期比58.82%増となり、イノベーション主導が同パークの財政増加の新たな原動力となっている。

 フロントエンドに焦点を当て、企業のイノベーション主体としての地位を固める。中間で協同して、政産学研連携を強化する。バックエンドでテクノロジーの成果転化を促進する。南寧ハイテクパークはここ数年、イノベーション主導のスタイルを貫き、北京の「中関村」との戦略的協力を深化させ、イノベーションのエコロジカルを継続的に構築し、開放、協力のポテンシャルを深く発掘し、イノベーション・起業の新たな先進地を作り出している。

 イノベーションキャリアの建設もさらに進んでいる。2021年、南寧·中関村に集まったイノベーションの主体は累計で490社に達し、売上高は前年比88.76%増の207億6400万元と、過去最高を更新した。中関村というブランドに牽引され、国家級ソーシャル・イノベーション・プラットフォームである南寧創客(創客とはアイデアを現実に変える人)シティに入居するアーリーステージ型のテクノロジー企業は78社、力合星空(南寧)インキュベーターが支援するプロジェクトは累計で41件となっている。

 テクノロジーイノベーション能力がさらに強化されている。2021年、南寧ハイテクパークに入居した新規企業は前年比8.2%増の5161社、育成したテクノロジー型中小企業は367社に達した。

 イノベーション人材がさらに集まっている。2021年、パーク内の企業・広西博世科環保科技股份有限公司の創始者である広西大学の王双飛教授は、中国工程院の院士に当選し、張立新氏ら10人の企業プロジェクトが、ハイレベルなイノベーション・起業を予定するリーダー的人材を支援する「邕江計画」に認定された。南寧市の41.67%を占めている。

 李書記は「当パークは今後、広西チワン族自治区のテクノロジーイノベーションの牽引役としての職責を積極的に担い、さらに影響力のあるイノベーションプラットフォームを構築する。さらに活力あふれるイノベーションの主体を育成し、さらに整ったイノベーションのエコロジカルを構築し、イノベーション主導発展のモデルエリア構築を加速させる計画だ」と話す。


( ※ 編集部注:市場主体とは、中国において営利を目的として経営活動に従事する自然人、会社、非会社企業法人、パートナーシップ企業及び外国企業のなどを指す)


※本稿は、科技日報「做実做優企業服務 南寧高新区領航区域発展」(2022年4月12日付7面)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。