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【20-08】サービス業の大きな発展も 孔中国大使新型コロナ抑制に自信

2020年3月30日 小岩井 忠道(中国総合研究・さくらサイエンスセンター)

 孔鉉佑駐日中国大使が3月27日日本記者クラブで記者会見し、中国国内の新型コロナウイルス感染拡大がほぼ抑制でき、感染拡大が止まらない外国への支援活動に力を入れているという現状を詳しく説明した。さらに新型コロナウイルスに対する戦いの結果、オンライン教育やオンラインエンターテインメントなど新たなサービス産業が大きく発展する可能性が見えてきた、と今後の経済状況に自信を示した。

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新型コロナウイルス対応について語る孔鉉佑駐日中国大使(日本記者クラブで)

 孔大使は、3月26日の時点で感染拡大が始まった湖北省でここ10日間に新たに見つかった感染者は1人、他の26の省・直轄市などでも14日以上新たな感染者が出ていないことを明らかにし、「感染拡大は基本的に遮断されたといえる」と明言した。さらに感染状況に関する情報を海外諸国や世界保健機関(WHO)に提供するなど、自国民の安全だけでなく世界の感染拡大防止にも貢献していることを強調した。WHOに2,000万ドルの義援金を出したほか、日本をはじめとする外国に防疫物資を提供するなど物資面での支援に力を入れていることも明らかにした。

 2008年に起きた四川大地震の際、中国国務院は「対口支援」という方式を地震の1カ月後に導入した。四川省の被災した市と他地域の支援する市とがペアを組んで復興に当たろうという方法だ。孔大使は、外国に対する支援として、一つの省・直轄市が感染の深刻な国の一つを支援する方式を採っていることを紹介した。四川省がイタリア、江蘇省がパキスタン、上海市がイランをそれぞれ支援しているという。

 孔大使が強調したことの一つが、中国国内の経済・社会活動の正常化が着々と進んでいること。製造業では80%以上の民営企業が、サービス業でも50%前後の企業が活動を再開していることを明らかにした。現在、中国は投資主導型成長モデルから消費主導型成長モデルへの転換を迫られている。孔大使は、昨年57%だった国内総生産(GDP)に占める消費の割合が今年は60%になる、との見通しを示した。特に強調したのは、サービス業における新しい動きが新型コロナウイルスに対する戦いの結果、生まれている現状。

 無接触パーティー、オンライン教育、オンラインエンターテインメントといった新しい消費方式が生み出されている。これらが中国のサービス業を大きく発展させるとみられる」。孔大使は自信に満ちた口調で語った。

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孔鉉佑大使記者会見会場の様子

 最近、中国では科学技術を重視した新インフラ整備の必要が叫ばれている。5G(第5世代移動通信システム)基地局建設や超高圧送電線、都市間高速鉄道・都市鉄道交通、新エネルギー車、ビッグデータセンター、人工知能(AI)、産業のインターネットという七つが対象に挙げられている。孔大使は、「これら七つの新しいインフラ分野が持続的に大きく力を発揮し、2兆元の投資を促す」との見通しを明らかにした。

 孔大使は、新型コロナウイルスと戦っている最中に日本から寄せられた支援に対して感謝の言葉も述べた。日本からの支援物資に貼られた8文字「山川異域、風月同天(山河は違えど同じ風が吹き同じ月を見る)」が中国のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で長い間、話題になったことなどを紹介し、「日本の善意を中国国民は心に銘記している」と語った。さらに善意に応えるために2月に行った第一陣の支援に次ぐ、第二陣の支援を中国政府が検討中であることも明らかにした。

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日本記者クラブ会見リポート孔鉉佑・中国大使 会見

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