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【24-01】2023年の中国10大科学技術成果 質の高い発展を後押し

人民網 2024年01月05日

 科学技術イノベーションは、この百年間なかった大変局における「重要な変数」であり、質の高い発展における「最大の増分」でもある。2023年、中国科学技術事業は数多くの大きな成果を上げた。

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C919が乗客を乗せた商用運航に成功

 5月28日、中国が独自開発した大型旅客機C919が初めて乗客を乗せた商用運航に成功した。

 大型旅客機は数百万点の部品によって組み立てられ、技術的ハードルが高く、研究開発期間が長く、システムが複雑であることから、「現代製造業の王冠に輝く宝石」と呼ばれている。大型航空機の製造能力はその国の工業レベルを直接反映している。

 中国商用飛機有限責任公司(Comac)の魏応彪副総経理は「当社はすでにC919を大量生産する能力を備えており、将来は年間生産能力が30~50機に達する」と述べた。

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「ダブルカーボン」目標実現を後押し 中国初の海上CO2貯留モデルプロジェクトが稼働

 二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルという「ダブルカーボン」目標を実現するには、エネルギー取得方法の転換や、石油・石炭・天然ガスなど化石エネルギーへの依存度の引き下げ、植林や炭素固定能力向上といった手段のほか、「カーボンニュートラルのラストワンマイル・ソリューション」と呼ばれる二酸化炭素貯留(CO2貯留)技術も利用可能だ。

 6月1日、中国初の海上CO2貯留モデルプロジェクトが南シナ海東部海域で稼働し、海上油田開発で発生したCO2の海底地層への大規模注入が始まった。このプロジェクトは中国の海上CO2貯留技術の空白を埋めるものとなった。

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従来の製糖方法を覆す二酸化炭素から糖への全合成を実現

 8月15日に中国の著名学術誌「科学通報」に掲載された研究成果が、サトウキビなどの農作物から糖分を抽出する伝統的方法を打破した。これにより、糖の取得時間が「年」単位から「時間」単位に短縮した。

 中国科学院の天津工業生物技術研究所と大連化学物理研究所の科学研究チームは、2年以上かけて二酸化炭素(CO2)から合成したデンプンをベースに、糖の自然合成ルートを変え、実験室内でCO2から糖への全合成を実現した。

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AI時代の高計算能力ニーズを満たす ReRAMインメモリコンピューティングチップが誕生

 計算能力とエネルギー効率が高いチップの研究開発をどのようにして加速させ、膨大な計算能力不足の問題を解決し、計算能力の大幅な向上を実現するのか。これは今すぐに解決しなければならない問題になっている。

 清華大学集積回路学院の呉華強教授と高浜副教授のチームは、インメモリコンピューティングモデルに基づき、世界初の全機能(システム)を集積した、効率的なラーニング(マシンラーニングをハードウェア端末で直接行うことができる)をサポートするReRAMインメモリコンピューティングチップを開発した。

 同じタスクにおいて、このチップはオンチップラーニングにおけるエネルギー消費を先進技術での特定用途向け半導体集積回路(ASIC)のわずか3%まで下げ、エネルギー効率の面で卓越した優位性を示しており、人工知能(AI)時代の高い計算能力ニーズを満たす極めて大きなポテンシャルを備えている。

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太陽活動の高品質データを提供 円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡がプロセステストに合格

 科学技術のサポートによって、人類の視線ははるか遠くの宇宙にまで届くようになった。9月27日、「千眼天珠」と呼ばれる国家重要科学技術インフラ「宇宙環境地上総合モニタリングネットワーク(子午プロジェクト2期)」を象徴する設備の一つである円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡がプロセステストに合格し、完成した。

「千眼天珠」は中国科学院国家宇宙科学センターが中心となり、標高3820メートルの四川省カンゼ・チベット族自治州稲城県に建設されたもので、敷地面積は1平方キロ。現時点で世界最大規模の総合開口電波望遠鏡となっている。

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長江水上輸送の水素エネルギー時代が幕開け 水素燃料電池動力モデル船「三峡氫舟1号」が就航

 10月11日、中国初の水素燃料電池動力モデル船「三峡氫舟1号」が長江三峡の起点となる湖北省宜昌市で就航した。これにより、水素燃料電池技術の中国の内陸河川船舶への応用でブレークスルーを果たし、長江水上輸送の水素エネルギー時代が幕を開けた。

 試算によると、同船は従来の燃料動力船より石油燃料消費を年間103.16トン、二酸化炭素(CO2)排出量を343.67トン削減する。

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有人宇宙プロジェクトが重要な一歩を踏み出す 宇宙ステーションが応用・発展の新段階に突入

 10月29日、「宇宙での合流」が再び実現した。

 有人宇宙船「神舟17号」と「神舟16号」の乗組員が宇宙ステーションでの合流に成功した。

 宇宙への夢が実現した「神舟5号」から、宇宙ステーションでの合流の夢が再び実現した「神舟17号」までの間、宇宙に行った中国の宇宙飛行士は20人になった。

 2022年末、中国の宇宙ステーションは全面的に完成し、10年以上にわたる応用・発展段階に入った。この段階では、中国は有人宇宙飛行を常態化して展開する。宇宙飛行士は長期的に軌道上を飛行し、多くの分野で大規模な宇宙科学実験と技術実験を実施する。

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中国造船業の「3つの真珠」が揃う 初の国産大型クルーズ船が引き渡し

 総トン数13万5500トン、使用部品数2500万点......。11月4日、中国初の国産大型クルーズ船「愛達・魔都(ADORA MAGIC CITY)」が正式に命名され、引き渡された。これにより、中国は国産大型クルーズ船の建造でブレークスルーを達成した。

 中国船舶工業業界協会の李彦慶秘書長は「中国はすでに航空母艦、大型液化天然ガス(LNG)輸送船、大型クルーズ船を建造する能力を備え、造船業の『3つの真珠』が揃った」と語った。

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テラビットレベルへ躍進 超高速次世代インターネットバックボーンが開通

 11月13日、清華大学は世界初の毎秒1.2テラ(T)ビットの超高速次世代インターネットバックボーン(基幹回線網)が開通したことを発表した。この回線網は未来型インターネット試験施設FITIの北京・武漢・広州にある3大中核ノードを結び、総延長は3000キロ以上ある。

 現在、世界のインターネット400ギガビットバックボーン技術は商用化が始まったばかりだ。今回の1.2T超高速次世代インターネットバックボーンの開通は、中国のバックボーン技術がTビット級に到達したことを意味する。この回線網はまた、システムのソフトウェア・ハードウェア全てで国産化と独自開発を実現した。

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記録を絶えず更新 長征シリーズキャリアロケットの打ち上げ500回に

 12月10日午前9時58分、中国は西昌衛星発射センターからキャリアロケット「長征2号D」を使い、リモートセンシング衛星「遙感39号」を打ち上げた。これは、長征シリーズキャリアロケットにとって500回目の打ち上げとなった。

 中国の宇宙事業は1970年から53年間で「打ち上げ0から500へ」のブレークスルーを実現した。長征ロケットが打ち上げ100回に達するまでに37年かかったが、100回から200回までが7年、200回から300回までが4年、300回から400回までが2年9カ月、400回から500回まではわずか2年で、宇宙事業の記録を絶えず更新してきた。